症例 著明な心膜液貯留をきたした続発性アミロイドーシスの1例
症例は,55歳女性,家族歴にアミロイドーシス.44歳より慢性関節リウマチ.11年後の昭和57年11月,顔面・足背の浮腫,心雑音,心陰影拡大で入院.入院時心エコー上著明なエコーフリースペースと甲状腺腫大あり.甲状腺,心筋,直腸生検で,コンゴーレッド陽性物質の沈着を認め,直腸生検標本は過マンガン酸カリウム反応陽性を示した.また,血清高密度リポ蛋白のアポ蛋白の等電点電気泳動で,Serum amyloid A(SAA)蛋白のバンドを認め,続発性アミロイドーシスと診断.心膜液は糖99mg/dl,蛋白4.2g/dl,総コレステロール65mg/dl,γグロブリン6.9%,SAA蛋白220ng/0.1ml(血...
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| Published in | 心臓 Vol. 17; no. 12; pp. 1302 - 1306 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1985
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| Subjects | |
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| ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI | 10.11281/shinzo1969.17.12_1302 |
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| Summary: | 症例は,55歳女性,家族歴にアミロイドーシス.44歳より慢性関節リウマチ.11年後の昭和57年11月,顔面・足背の浮腫,心雑音,心陰影拡大で入院.入院時心エコー上著明なエコーフリースペースと甲状腺腫大あり.甲状腺,心筋,直腸生検で,コンゴーレッド陽性物質の沈着を認め,直腸生検標本は過マンガン酸カリウム反応陽性を示した.また,血清高密度リポ蛋白のアポ蛋白の等電点電気泳動で,Serum amyloid A(SAA)蛋白のバンドを認め,続発性アミロイドーシスと診断.心膜液は糖99mg/dl,蛋白4.2g/dl,総コレステロール65mg/dl,γグロブリン6.9%,SAA蛋白220ng/0.1ml(血清とほぼ同濃度)であった.以上より慢性関節リウマチに伴う心膜液ではなく,続発性アミロイドーシスに伴う心膜液と考えられた.昭和58年2月より100%Dimetyl sulfoxide(DMSO)を投与,9カ月後心エコー上心膜液の著明な減少が認められている. |
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI: | 10.11281/shinzo1969.17.12_1302 |