高密度都市域における潟湖化干潟の生態工学的特性

谷津干潟内環境の変化を, 現地観測および干潟モデル実験を通して水質及び生態工学的な検討を試みた. その結果, 干潟の水質および底質変化は干潟内藻類の繁茂に大きな影響を与えることが明らかとなった. 砂質化と流入海水の持つNH4-N/PO4-P比の藻類吸収最適N/P比との一致に起因しているものと考えられる. また, 谷津干潟内では, 従来からの食物連鎖網に加えて, アナアオサを生産者とする新たな生態系ピラミッド, すなわち「複数型生態系ピラミッド」が進行していると考えられる.さらにアナアオサの繁茂が溶存態栄養塩類循環に強く関わっていることを明らかにした....

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Published in海岸工学論文集 Vol. 49; pp. 1291 - 1295
Main Authors 石井, 裕一, 瀧, 和夫, 村上, 和仁, 立本, 英機
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2002
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ISSN0916-7897
1884-8222
DOI10.2208/proce1989.49.1291

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Summary:谷津干潟内環境の変化を, 現地観測および干潟モデル実験を通して水質及び生態工学的な検討を試みた. その結果, 干潟の水質および底質変化は干潟内藻類の繁茂に大きな影響を与えることが明らかとなった. 砂質化と流入海水の持つNH4-N/PO4-P比の藻類吸収最適N/P比との一致に起因しているものと考えられる. また, 谷津干潟内では, 従来からの食物連鎖網に加えて, アナアオサを生産者とする新たな生態系ピラミッド, すなわち「複数型生態系ピラミッド」が進行していると考えられる.さらにアナアオサの繁茂が溶存態栄養塩類循環に強く関わっていることを明らかにした.
ISSN:0916-7897
1884-8222
DOI:10.2208/proce1989.49.1291