初診時に骨髄浸潤を認めた混合細胞型古典的ホジキンリンパ腫の1例

症例: 58 歳男性.2か月前より全身リンパ節腫脹, 1か月前より高熱を繰り返すため当院入院となった. 検査結果: ヘモグロビン12.8 g/dL, 白血球数6,300 /μL (リンパ球20.0%), 血小板数205×10 3 /μL, アルブミン3.3 g/dL,LDH 507 IU/L, AST 570 IU/L, ALT 419 IU/L, ALP 1,172 IU/mL, 総ビリルビン2.3 mg/dL, フェリチン2,075 ng/mL,CRP 12.4 mg/dL, 可溶性IL-2レセプター6,305 U/mL. FDG-PET/CTで, 表在・縦隔・腹腔内を含む広範囲なリンパ節...

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Published in天理医学紀要 Vol. 16; no. 2; pp. 111 - 118
Main Authors 大野, 仁嗣, 岸森, 千幸, 飯岡, 大, 前迫, 善智, 西村, 俊亮, 本庄, 原, 鴨田, 吉正, 赤坂, 尚司, 御前, 隆, 林田, 雅彦, 前川, ふみよ, 竹岡, 加陽
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所 2013
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ISSN1344-1817
2187-2244
DOI10.12936/tenrikiyo.16-006

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Summary:症例: 58 歳男性.2か月前より全身リンパ節腫脹, 1か月前より高熱を繰り返すため当院入院となった. 検査結果: ヘモグロビン12.8 g/dL, 白血球数6,300 /μL (リンパ球20.0%), 血小板数205×10 3 /μL, アルブミン3.3 g/dL,LDH 507 IU/L, AST 570 IU/L, ALT 419 IU/L, ALP 1,172 IU/mL, 総ビリルビン2.3 mg/dL, フェリチン2,075 ng/mL,CRP 12.4 mg/dL, 可溶性IL-2レセプター6,305 U/mL. FDG-PET/CTで, 表在・縦隔・腹腔内を含む広範囲なリンパ節病変に加え, 脊椎・骨盤・大腿骨近位の中心骨髄にFDG の集積亢進を認めた. 左鎖骨上窩リンパ節生検は混合細胞型古典的ホジキンリンパ腫. 骨髄穿刺で巨大なReed-Sternberg (RS)/Hodgkin (HD)細胞を1.4%, その周囲を単球やマクロファージが取り囲み, 血球貪食像を認めた. 骨髄生検でCD30陽性の大型細胞を含む細胞浸潤を認めた. 以上からStage IVBM,国際予後指標(international prognostic score; IPS):4 と診断した. 経過:ABVd 療法により全身症状や検査所見は速やかに改善し,完全寛解状態に至った. 考案: ホジキンリンパ腫ではPET 検査で中心骨髄の集積亢進をしばしば認めるが, 炎症の反映であることが多い.本例のように骨髄検査で浸潤が証明されることはまれである. ホジキンリンパ腫のステージングには, 骨髄検査は欠かすことができない.
ISSN:1344-1817
2187-2244
DOI:10.12936/tenrikiyo.16-006