高度な汚染を伴う下腿開放骨折Gustilo分類ⅢBに対してCLAPを用いて治療した1例

高度な汚染や軟部組織損傷を伴う開放骨折に対して持続局所抗菌薬灌流(CLAP)を用いて感染の予防が可能であった症例が報告されている.今回,高度な汚染および軟部組織損傷を伴う下腿開放骨折に対してCLAPを使用し感染を予防できた1例を経験したため報告する.症例は74歳男性,作業中トラクターに右下肢を巻き込まれて受傷した.高度な汚染を伴うGustiloⅢB脛骨骨幹部開放骨折を認め,同日デブリドマン,創外固定術,後脛骨動脈吻合術および脛骨神経縫合術を施行した.受傷4日目に2nd lookを施行し,CLAPを併用した.受傷10日目に3rd lookを施行し,受傷12日目に骨接合術および形成外科と合同で腓腹...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 74; no. 1; pp. 102 - 107
Main Authors 宮崎, 誠大, 井本, 光次郎, 城下, 卓也, 岡村, 直樹, 宮本, 和彦, 林田, 洋一, 岡田, 二郎, 山田, 祐莉子, 本多, 一宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2025
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.74.102

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Summary:高度な汚染や軟部組織損傷を伴う開放骨折に対して持続局所抗菌薬灌流(CLAP)を用いて感染の予防が可能であった症例が報告されている.今回,高度な汚染および軟部組織損傷を伴う下腿開放骨折に対してCLAPを使用し感染を予防できた1例を経験したため報告する.症例は74歳男性,作業中トラクターに右下肢を巻き込まれて受傷した.高度な汚染を伴うGustiloⅢB脛骨骨幹部開放骨折を認め,同日デブリドマン,創外固定術,後脛骨動脈吻合術および脛骨神経縫合術を施行した.受傷4日目に2nd lookを施行し,CLAPを併用した.受傷10日目に3rd lookを施行し,受傷12日目に骨接合術および形成外科と合同で腓腹筋弁術および全層植皮術を施行しCLAPを終了した.術後6ヶ月で感染所見を認めず,疼痛なく独歩安定している.高度汚染を伴う開放骨折に対してCLAPを併用して治療を行い,深部感染なく良好な経過が得られた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.74.102