在宅医療患者に対する処方監査の特徴―岐阜県におけるPharmaceutical Intervention Record(薬学的介入報告)の分析
岐阜薬科大学は岐阜県薬剤師会と共同で実施しているPharmaceutical Intervention Record(PIR)事業を利用して,在宅医療患者に対する処方監査の特徴について分析した.2018 年度にPIR データベースへ入力された1,546 処方を,在宅医療患者への処方(在宅群)とそれ以外の処方(対照群)に分けた.在宅群は対照群と比較して高齢者の割合,女性の割合,6 剤以上投与されている割合が有意に高かった.また,在宅群に対する処方監査の特徴として,疑義照会の情報源では医師や看護師等からの相談,患者・患家の様子,持参薬チェック,および検査結果,疑義照会の原因では腎機能低下等の状況,...
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| Published in | 在宅薬学 Vol. 7; no. 1; pp. 24 - 32 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本在宅薬学会
2020
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 2188-658X 2434-5288 |
| DOI | 10.32228/jjcmps.2019.0027 |
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| Summary: | 岐阜薬科大学は岐阜県薬剤師会と共同で実施しているPharmaceutical Intervention Record(PIR)事業を利用して,在宅医療患者に対する処方監査の特徴について分析した.2018 年度にPIR データベースへ入力された1,546 処方を,在宅医療患者への処方(在宅群)とそれ以外の処方(対照群)に分けた.在宅群は対照群と比較して高齢者の割合,女性の割合,6 剤以上投与されている割合が有意に高かった.また,在宅群に対する処方監査の特徴として,疑義照会の情報源では医師や看護師等からの相談,患者・患家の様子,持参薬チェック,および検査結果,疑義照会の原因では腎機能低下等の状況,および重大な副作用,疑義照会の結果では剤形変更の割合が対照群と比較して有意に高かった.このことから,薬剤師は在宅医療において,患者・家族とのコミュニケーションや信頼関係と多職種連携を活用して情報収集を行い,患者のバイタルサイン,服薬状況に応じた処方監査を行っていることが示唆された. |
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| ISSN: | 2188-658X 2434-5288 |
| DOI: | 10.32228/jjcmps.2019.0027 |