中学校における巨視的時間概念の指導法に関する実践的研究

中学校理科では,巨視的な時間概念が扱われる。地球の歴史や地殻変動及び生物の進化を認識する上で欠かせないからである。ところが,巨視的な時間に関するイメージは正しく理解されていない実情となっており,有効な指導法の確立が待たれている。そこで,本研究では,中学校第3学年「生物の進化」において,場所法によって巨視的時間概念の指導を行った実験群と,講義で板書することによって指導を行った統制群との間で,巨視的な時間に関するイメージ変容を比較検討した。その結果,人類とピラミッドに対する時間イメージは平常授業においても改善することができるが,魚類,両生類,恐竜,哺乳類に対する時間イメージは,平常授業では改善でき...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本理科教育学会研究紀要 Vol. 38; no. 2; pp. 173 - 179
Main Authors 三崎, 隆, 西川, 純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本理科教育学会 1997
Online AccessGet full text
ISSN0389-9039
2433-0140
DOI10.11639/formersjst.38.2_173

Cover

More Information
Summary:中学校理科では,巨視的な時間概念が扱われる。地球の歴史や地殻変動及び生物の進化を認識する上で欠かせないからである。ところが,巨視的な時間に関するイメージは正しく理解されていない実情となっており,有効な指導法の確立が待たれている。そこで,本研究では,中学校第3学年「生物の進化」において,場所法によって巨視的時間概念の指導を行った実験群と,講義で板書することによって指導を行った統制群との間で,巨視的な時間に関するイメージ変容を比較検討した。その結果,人類とピラミッドに対する時間イメージは平常授業においても改善することができるが,魚類,両生類,恐竜,哺乳類に対する時間イメージは,平常授業では改善できず,場所法を利用することによって改善することができることが明らかになった。
ISSN:0389-9039
2433-0140
DOI:10.11639/formersjst.38.2_173