ルーブリックを評価基準に用いた小論文指導に関する研究

本研究では,小論文の客観的評価法としてルーブリックを作成し,それを活用した小論文指導の効果について検討した.学生には「階段とエレベーターはどちらが有用か」という課題が与えられ,どちらかの立場に立って論を展開していくための,双方の利点欠点を列挙した「論拠プリント」の作成が求められた.次に,「論拠プリント」で書いた項目をもとに,評価用ルーブリックの5つの指導項目(段落分け,句読点・誤字・脱字,語彙・表現,説得力,構成)にそって小論文を書くことを求めた.結果,指導項目の「段落」「句読点」「構成」「説得力」は練習1回目から,「語彙」については練習3回目からプレテストとの間に有意差を認めた(p<0.05...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 19; no. 2; pp. 61 - 64
Main Authors 池, 聡, 石川, 裕治, 櫻木, 理恵, 光内, 梨佐, 吉村, 知佐子, 高地, 正音, 稲田, 勤, 土居, 奈央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院 30.03.2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-5648
2433-4553
DOI10.15028/kochireha.19.2_61

Cover

More Information
Summary:本研究では,小論文の客観的評価法としてルーブリックを作成し,それを活用した小論文指導の効果について検討した.学生には「階段とエレベーターはどちらが有用か」という課題が与えられ,どちらかの立場に立って論を展開していくための,双方の利点欠点を列挙した「論拠プリント」の作成が求められた.次に,「論拠プリント」で書いた項目をもとに,評価用ルーブリックの5つの指導項目(段落分け,句読点・誤字・脱字,語彙・表現,説得力,構成)にそって小論文を書くことを求めた.結果,指導項目の「段落」「句読点」「構成」「説得力」は練習1回目から,「語彙」については練習3回目からプレテストとの間に有意差を認めた(p<0.05).また,指導項目の5項目全てにおいてプレテストに比較しポストテストの得点が有意に高かった(p<0.05).以上より,今回用いた小論文指導方法は,学生の論文作成能力を短期間で改善させうるものと考えられた.
ISSN:1345-5648
2433-4553
DOI:10.15028/kochireha.19.2_61