Configurationを工夫した大腿静脈-大腿静脈型体外式膜型人工肺で気管支鏡下手術を行った気管内腫瘍の1例

【はじめに】気管内腫瘍の加療に際し、呼吸補助としての静脈-静脈体外式膜型人工肺 (veno-venous extracorporeal membrane oxygenator ; V-V ECMO) の有用性に関する報告が散見されるが、configurationに関して詳細に記述された報告はない。今回、手術の際にV-V ECMOのconfigurationを工夫し、良好な経過を得た症例を経験し、今後の加療に知見を与えるため報告する。【症例】悪性胸膜中皮腫の既往がある70代の男性が呼吸困難で搬送され、気管内腫瘍と診断された。入院15日目の気管支鏡下での処置の際に容態が悪化し、気管挿管を行った。入...

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Published in日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 46; no. 3; pp. 199 - 204
Main Authors 笠原, 道, 濱口, 純, 石澤, 嶺, 清水, 敬樹, 佐久嶋, 優衣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本救急医学会関東地方会 30.06.2025
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ISSN0287-301X
2434-2580
DOI10.24697/jaamkanto.46.3_199

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Summary:【はじめに】気管内腫瘍の加療に際し、呼吸補助としての静脈-静脈体外式膜型人工肺 (veno-venous extracorporeal membrane oxygenator ; V-V ECMO) の有用性に関する報告が散見されるが、configurationに関して詳細に記述された報告はない。今回、手術の際にV-V ECMOのconfigurationを工夫し、良好な経過を得た症例を経験し、今後の加療に知見を与えるため報告する。【症例】悪性胸膜中皮腫の既往がある70代の男性が呼吸困難で搬送され、気管内腫瘍と診断された。入院15日目の気管支鏡下での処置の際に容態が悪化し、気管挿管を行った。入院17日目に呼吸補助として大腿静脈-大腿静脈型体外式膜型人工肺 (femoro-femoral V-V ECMO ; F-F V-V ECMO) を導入した。Recirculationを減らす工夫として、サイドホール先端集約型カニューレのBio-Medicus™ NextGen Cannulae 25 Fr/50cmを右心房内に留置して使用した。入院18日目に気管内腫瘍の摘出を行い、入院23日目に集中治療室を退室した。【結語】気管内腫瘍の診断・治療における呼吸補助としてF-F V-V ECMOを導入する場合、そのconfigurationには工夫が必要である。
ISSN:0287-301X
2434-2580
DOI:10.24697/jaamkanto.46.3_199