腕神経叢(C8,Th1)より発生した神経鞘腫の一切除例

症例は25歳女性であり,健康診断の胸部Xpにて右肺尖部の異常影を指摘され,当科紹介となった.術前の生検では確定診断を得られなかったが,画像所見より腕神経叢下幹由来の神経原性腫瘍を強く疑った.胸腔鏡下に腫瘍生検を行い,術中迅速病理検査にて神経鞘腫と診断されたため,Door open(胸骨部分切開+第三肋間開胸)およびTMA(Transmanubrial approach)を併用した開胸下に被膜内腫瘍摘出術を施行した.術後は第IV,V指尖の異常知覚のみで他の機能障害を認めなかった.胸腔内に進展した腕神経叢由来の神経鞘腫は稀であり,診断ならびにその治療方法,特に機能温存に留意した術式について検討を行...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 22; no. 2; pp. 175 - 179
Main Authors 星野, 英久, 鈴木, 秀海, 黄, 英哲, 斎藤, 幸雄, 藤澤, 武彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2008
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.22.175

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Summary:症例は25歳女性であり,健康診断の胸部Xpにて右肺尖部の異常影を指摘され,当科紹介となった.術前の生検では確定診断を得られなかったが,画像所見より腕神経叢下幹由来の神経原性腫瘍を強く疑った.胸腔鏡下に腫瘍生検を行い,術中迅速病理検査にて神経鞘腫と診断されたため,Door open(胸骨部分切開+第三肋間開胸)およびTMA(Transmanubrial approach)を併用した開胸下に被膜内腫瘍摘出術を施行した.術後は第IV,V指尖の異常知覚のみで他の機能障害を認めなかった.胸腔内に進展した腕神経叢由来の神経鞘腫は稀であり,診断ならびにその治療方法,特に機能温存に留意した術式について検討を行った.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.22.175