東部インド洋における溶存セレンの分布

インド洋における5測点で, 溶存態セレン (亜セレン酸; +4価, セレン酸; +6価, 有機態セレン; -2価) の鉛直分布を高速液体クロマトグラフィー-2, 3-ジアミノナフタレン (DAN) 蛍光検出法を用いて測定した. 表層300m間における亜セレン酸の濃度はかなり低濃度であり, その鉛直分布は栄養塩型 (表層低は濃度で, 深度と共に増加) であった.亜セレン酸と栄養塩元素との間に良好な相関関係が各水柱で認められ, インド洋に関しての化学量論モデルを構築した. これらのモデルは, インド洋での亜セレン酸に関する生物地球化学的サイクルがその他の海域と類似していることを示していた. セレン...

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Published in日本海水学会誌 Vol. 55; no. 3; pp. 175 - 182
Main Authors 木村, 宗人, 中口, 譲, 服部, 裕史, 平木, 敬三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本海水学会 2001
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ISSN0369-4550
2185-9213
DOI10.11457/swsj1965.55.175

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Summary:インド洋における5測点で, 溶存態セレン (亜セレン酸; +4価, セレン酸; +6価, 有機態セレン; -2価) の鉛直分布を高速液体クロマトグラフィー-2, 3-ジアミノナフタレン (DAN) 蛍光検出法を用いて測定した. 表層300m間における亜セレン酸の濃度はかなり低濃度であり, その鉛直分布は栄養塩型 (表層低は濃度で, 深度と共に増加) であった.亜セレン酸と栄養塩元素との間に良好な相関関係が各水柱で認められ, インド洋に関しての化学量論モデルを構築した. これらのモデルは, インド洋での亜セレン酸に関する生物地球化学的サイクルがその他の海域と類似していることを示していた. セレン酸は, 表層水中で優占種であり, またその濃度は表層から底層までほとんど一定であった. しかしながら, そのセレン酸の平均濃度はそれぞれの測点で異なっていた. 有機態セレンは外洋深層水中で初めて検出され, その鉛直分布には様々なタイプのがあることが分かった.
ISSN:0369-4550
2185-9213
DOI:10.11457/swsj1965.55.175