Vero毒素産生性 (腸管出血性) 大腸菌O157感染症の血清診断 菌体凝集抗体測定の意義
Vero毒素産生性大腸菌 (腸管出血性大腸菌) O157感染症の血清学的診断法としての菌体凝集抗体の有用性を検討した.コントロール小児50例 (下痢症31例, 下痢症あり19例) 由来の血清50検体, O157: H7による下痢症8例由来24検体, 溶血性尿毒症症候群 (HUS) 14例由来37検体のEscherichia coliE32511 (O157: H-) 加熱死菌に対する凝集抗体価を常法により測定した.コントロール血清50検体では, 下痢症あり由来の1検体 (×80) を除きすべて×20≧であった.O157: H7が分離された下痢症では, 5-7病日には全例で抗体価の上昇 (×32...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 71; no. 9; pp. 924 - 927 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.09.1997
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.71.924 |
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Summary: | Vero毒素産生性大腸菌 (腸管出血性大腸菌) O157感染症の血清学的診断法としての菌体凝集抗体の有用性を検討した.コントロール小児50例 (下痢症31例, 下痢症あり19例) 由来の血清50検体, O157: H7による下痢症8例由来24検体, 溶血性尿毒症症候群 (HUS) 14例由来37検体のEscherichia coliE32511 (O157: H-) 加熱死菌に対する凝集抗体価を常法により測定した.コントロール血清50検体では, 下痢症あり由来の1検体 (×80) を除きすべて×20≧であった.O157: H7が分離された下痢症では, 5-7病日には全例で抗体価の上昇 (×320-×5,120) が認められ, その後速やかに下降した.HUS 14例中12例で抗体価の有意な上昇が認められ, 発症時に最高値 (×160-×5,120) をとり以後下降した.本法は感度, 特異性に優れているだけではなく, 極めて簡便で施設を選ばず実施可能なことから, O157感染症の有用な補助診断法と考えられた. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.71.924 |