免疫グロブリン製剤の胆汁中移行に関する検討

ペプシン処理ヒト免疫グロブリン製剤59を総胆管T-チューブドレナージ施行患者4名に60分で点滴静注し, 胆汁中移行について検討した. また本剤のin vitroにおける細菌との結合についても検討し以下の結果を得た.(1) 胆汁中濃度, 血清中濃度とも症例によって変動はあるものの, いずれも点滴静注終了直後より4時間後までに最高値となり, ピーク値は胆汁中濃度では3.6~23μg/ml, 血清中濃度では406~2,586μg/mlを示した.(2) In vitroにおける免疫グロブリン製剤と細菌の反応の蛍光顕微鏡像では, 免疫グロブリン製剤が細菌によく結合しているのが観察された. その濃度は免疫...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inCHEMOTHERAPY Vol. 37; no. 11; pp. 1351 - 1356
Main Authors 由良, 二郎, 真下, 啓二, 水野, 章, 品川, 長夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1989
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.37.1351

Cover

More Information
Summary:ペプシン処理ヒト免疫グロブリン製剤59を総胆管T-チューブドレナージ施行患者4名に60分で点滴静注し, 胆汁中移行について検討した. また本剤のin vitroにおける細菌との結合についても検討し以下の結果を得た.(1) 胆汁中濃度, 血清中濃度とも症例によって変動はあるものの, いずれも点滴静注終了直後より4時間後までに最高値となり, ピーク値は胆汁中濃度では3.6~23μg/ml, 血清中濃度では406~2,586μg/mlを示した.(2) In vitroにおける免疫グロブリン製剤と細菌の反応の蛍光顕微鏡像では, 免疫グロブリン製剤が細菌によく結合しているのが観察された. その濃度は免疫グロブリン製剤0.01μg/mlまで確認できた. 以上のことから, 胆道感染症における本剤の有用性が示唆された.
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.37.1351