肝原発のsolitary fibrous tumorの1例

症例は58歳の男性で近医で施行した腹部エコーで肝腫瘍を指摘され当院に紹介された.CT検査で肝S6に早期濃染を示す腫瘍を認め肝原発の悪性腫瘍の診断で肝S6亜区域切除術を行った.腫瘍は26mmの充実性腫瘍で病理学的に卵円形細胞がいわゆるhemangiopericytoma-like patternに増殖しており,免疫染色でCD34,vimentin陽性であったことから,肝原発solitary fibrous tumor (SFT)と診断した.術後1年の現在,再発を認めていない.本症例は病理学的に悪性所見を認めており,慎重な経過観察が必要と考えられた.SFTは多くは胸膜から発生し,肝原発のSFTは極...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 11; pp. 3129 - 3134
Main Authors 川添, 准矢, 財間, 正純, 原田, 英樹, 山本, 秀和, 矢澤, 武史, 武内, 英二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.75.3129

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Summary:症例は58歳の男性で近医で施行した腹部エコーで肝腫瘍を指摘され当院に紹介された.CT検査で肝S6に早期濃染を示す腫瘍を認め肝原発の悪性腫瘍の診断で肝S6亜区域切除術を行った.腫瘍は26mmの充実性腫瘍で病理学的に卵円形細胞がいわゆるhemangiopericytoma-like patternに増殖しており,免疫染色でCD34,vimentin陽性であったことから,肝原発solitary fibrous tumor (SFT)と診断した.術後1年の現在,再発を認めていない.本症例は病理学的に悪性所見を認めており,慎重な経過観察が必要と考えられた.SFTは多くは胸膜から発生し,肝原発のSFTは極めて稀であり,文献的考察を含めて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.3129