実環境下でのプロセス・特性評価のための収差補正・環境制御型透過電子顕微鏡とその応用

高分解能・高圧力タイプの環境セルと対物レンズの収差補正を組み合わせて,気体中の固体の振る舞いを原子スケールで観察できる収差補正・環境制御型透過電子顕微鏡(ETEM)を紹介する.本ETEMは従来よりも高圧力で高分解能観察が可能である.さらに,各種気体の切り替えを高速化させて,再現性のある安定した気体雰囲気下で試料を観察できる.本ETEMは,気体中で機能中の金属ナノ粒子触媒の観察に代表される 1)原子スケールでの機能の評価,およびカーボンナノチューブの気相成長などに代表される 2)物質合成プロセスの評価,などの「実環境下でのプロセス・特性評価への応用」が期待されている.また,本ETEMではETEM...

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Published in顕微鏡 Vol. 46; no. 1; pp. 20 - 23
Main Authors 竹田, 精治, 吉田, 秀人, 桒内, 康文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本顕微鏡学会 30.03.2011
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ISSN1349-0958
2434-2386
DOI10.11410/kenbikyo.46.1_20

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Summary:高分解能・高圧力タイプの環境セルと対物レンズの収差補正を組み合わせて,気体中の固体の振る舞いを原子スケールで観察できる収差補正・環境制御型透過電子顕微鏡(ETEM)を紹介する.本ETEMは従来よりも高圧力で高分解能観察が可能である.さらに,各種気体の切り替えを高速化させて,再現性のある安定した気体雰囲気下で試料を観察できる.本ETEMは,気体中で機能中の金属ナノ粒子触媒の観察に代表される 1)原子スケールでの機能の評価,およびカーボンナノチューブの気相成長などに代表される 2)物質合成プロセスの評価,などの「実環境下でのプロセス・特性評価への応用」が期待されている.また,本ETEMではETEM観察と通常の透過電子顕微鏡(TEM)/走査透過電子顕微鏡(STEM)観察の切り替えが容易であり,ETEM観察の前後で対物レンズの球面収差が補正された高性能分析STEM/TEMとしての利用も可能である.
ISSN:1349-0958
2434-2386
DOI:10.11410/kenbikyo.46.1_20