低次生態系-3次元流体力学モデルを用いた鳥取県東郷池の溶存酸素の動態解析

低次生態系-3次元流体力学モデルを用いて, 鳥取県東郷池の溶存酸素 (DO) の動態解析を行った. まず, 2003年の水質観測結果の再現計算を行ったところ, 計算結果は観測値に対して良好な整合性が見られたことから, 本モデルによる東郷池の水環境動態解析の有効性が確認された. つぎに, 本モデルを用いて, DOの動態に関する数値実験を行った. その結果, 年平均風速の3m/sの風が作用した場合, 3m以深の湖底近傍では移流・拡散による酸素供給量よりも底泥による酸素消費量が大きく上回り, その結果として湖水の貧酸素化が生じることが分かった. 一方, 強風に相当する6m/sの風が作用した場合, 水...

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Published in農業農村工学会論文集 Vol. 2008; no. 255; pp. 257 - 266,a1
Main Authors 原田, 昌佳, 齋, 幸治, 平松, 和昭, 森, 牧人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 農業農村工学会 2008
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ISSN1882-2789
1884-7242
DOI10.11408/jsidre2007.2008.257

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Summary:低次生態系-3次元流体力学モデルを用いて, 鳥取県東郷池の溶存酸素 (DO) の動態解析を行った. まず, 2003年の水質観測結果の再現計算を行ったところ, 計算結果は観測値に対して良好な整合性が見られたことから, 本モデルによる東郷池の水環境動態解析の有効性が確認された. つぎに, 本モデルを用いて, DOの動態に関する数値実験を行った. その結果, 年平均風速の3m/sの風が作用した場合, 3m以深の湖底近傍では移流・拡散による酸素供給量よりも底泥による酸素消費量が大きく上回り, その結果として湖水の貧酸素化が生じることが分かった. 一方, 強風に相当する6m/sの風が作用した場合, 水塊の強い鉛直混合に起因して, 移流・拡散による湖底への酸素供給量が増加したため, 湖底近傍でのDOの低下は見られなかった.
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre2007.2008.257