Trichophyton tonsurans 臨床分離株に対する各種抗真菌薬の in vitro 抗真菌活性

【はじめに】Trichophyton tonsurans 感染症患者より分離・同定された臨床分離株に対する各種抗真菌薬の in vitro 抗真菌活性を調べた. 【材料および方法】T. tonsurans の臨床分離株 10 株(柔道部員由来 7 株,レスリング部員由来 2 株,その他 1 株)および保存株 1 株を使用した.臨床分離株はいずれも核リボソーム RNA 遺伝子 ITS1 領域の塩基配列により T. tonsurans と同定された株である.抗真菌薬としてルリコナゾール (LLCZ),ラノコナゾール (LCZ),塩酸テルビナフィン (TBF) ,硝酸ミコナゾール (MCZ),ケトコ...

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Published in日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 p. 125
Main Authors 坪井, 良治, 古賀, 裕康, 槙村, 浩一, 井上, 和美, 南條, 育子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医真菌学会 2005
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ISSN0916-4804
DOI10.11534/jsmm.49.0.125.0

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Summary:【はじめに】Trichophyton tonsurans 感染症患者より分離・同定された臨床分離株に対する各種抗真菌薬の in vitro 抗真菌活性を調べた. 【材料および方法】T. tonsurans の臨床分離株 10 株(柔道部員由来 7 株,レスリング部員由来 2 株,その他 1 株)および保存株 1 株を使用した.臨床分離株はいずれも核リボソーム RNA 遺伝子 ITS1 領域の塩基配列により T. tonsurans と同定された株である.抗真菌薬としてルリコナゾール (LLCZ),ラノコナゾール (LCZ),塩酸テルビナフィン (TBF) ,硝酸ミコナゾール (MCZ),ケトコナゾール (KCZ) およびイトラコナゾール (ITZ) を用いた.各薬剤の最小発育阻止濃度 (MIC) は本学会提案の微量液体希釈法 (Alamar Blue 添加 RPMI 1640 培地)ならびに寒天平板希釈法(Casitone 培地)で測定した.【結果および考察】微量液体希釈法で求めた臨床分離株 10 株に対するMICは, LLCZ: 0.0002-0.00078 μg/mL (MIC90: 0.00039 μg/mL), LCZ: 0.00039-0.0016 μg/mL (MIC90: 0.00078 μg/mL), TBF: 0.0031-0.025 μg/mL (MIC90: 0.013 μg/mL), MCZ: 0.2-0.8 μg/mL (MIC90: 0.8 μg/mL), KCZ: 0.05-0.4 μg/mL (MIC90: 0.4 μg/mL) および ITZ: 0.013-0.2 μg/mL (MIC90: 0.1 μg/mL) となり,試験薬剤の中では LLCZ および LCZ の抗真菌活性が強かった.T. tonsurans の薬剤感受性においては、柔道部員由来株とレスリング部員由来株との間,あるいは臨床分離株と保存株との間に差はみられなかった.尚,T. tonsurans は株により発育速度が異なるため,寒天平板希釈法ではエンドポイントのとり方により MIC が振れる傾向にあった。測定方法としては微量液体希釈法がより適していると考えられた。
Bibliography:P-85
ISSN:0916-4804
DOI:10.11534/jsmm.49.0.125.0