前立腺肥大症術後患者の体力回復に対する人参養栄湯の有用性 -虚実証判定スコアを用いた臨床効果の検討
高齢者に対する手術においては一般的に術後の体力回復の遅延が問題となる。今回われわれは前立腺肥大症手術後の患者に人参養栄湯を投与し, 虚実証判定スコアを用い臨床効果を検討したので報告する。 虚実証判定スコアからみた投与前の証は, 虚証群11例, 中間証群8例, 実証群15例であった。人参養栄湯投与による全般改善度は70.6%に改善が認められ, 虚証群は実証群に比して有意に改善度が高かった (p=0.049)。投与前後のスコアの推移をみると, 中央値は有意に実証側に傾いており (p=0.002), 特に虚証群においてスコアの変化が高かった (p=0.039)。スコアの項目毎に投与前後の変化をみると...
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| Published in | 日本東洋医学雑誌 Vol. 49; no. 4; pp. 617 - 622 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本東洋医学会
20.01.1999
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| Subjects | |
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| ISSN | 0287-4857 1882-756X |
| DOI | 10.3937/kampomed.49.617 |
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| Summary: | 高齢者に対する手術においては一般的に術後の体力回復の遅延が問題となる。今回われわれは前立腺肥大症手術後の患者に人参養栄湯を投与し, 虚実証判定スコアを用い臨床効果を検討したので報告する。 虚実証判定スコアからみた投与前の証は, 虚証群11例, 中間証群8例, 実証群15例であった。人参養栄湯投与による全般改善度は70.6%に改善が認められ, 虚証群は実証群に比して有意に改善度が高かった (p=0.049)。投与前後のスコアの推移をみると, 中央値は有意に実証側に傾いており (p=0.002), 特に虚証群においてスコアの変化が高かった (p=0.039)。スコアの項目毎に投与前後の変化をみると,「皮膚の張り」「食事量」「発汗の状態」の各項目が改善した群で人参養栄湯投与後にスコアが実証側に傾く傾向が強かった。 |
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| ISSN: | 0287-4857 1882-756X |
| DOI: | 10.3937/kampomed.49.617 |