橈骨近位部骨折に対する観血的治療の小経験

「はじめに」橈骨近位部骨折において骨片が大きく転位した症例, 粉砕骨折の症例に対しては観血的治療の適応である. 今回我々はガイドワイヤーを使用できる中空性のスクリューを用いた観血的治療を2例経験したので報告する. 症例 症例1:54歳, 女性 主訴:右肘痛 現病歴:平成15年5月20日, 仕事中に足ふきマットが滑り転倒. 右手をついて受傷近医にて橈骨頭骨折を指摘され平成15年5月21日当科紹介. X線にて3mmの転位をともなう橈骨頭辺縁での骨折を認めた(図1). 全身麻酔下に観血的整復, 内固定を行った. 内固定材にはAcutrak bone screw(ACUMED)を使用した. 術後1週よ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 4; pp. 826 - 829
Main Authors 安田, 幸一郎, 山口, 司, 兼川, 雄次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2004
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.53.826

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Summary:「はじめに」橈骨近位部骨折において骨片が大きく転位した症例, 粉砕骨折の症例に対しては観血的治療の適応である. 今回我々はガイドワイヤーを使用できる中空性のスクリューを用いた観血的治療を2例経験したので報告する. 症例 症例1:54歳, 女性 主訴:右肘痛 現病歴:平成15年5月20日, 仕事中に足ふきマットが滑り転倒. 右手をついて受傷近医にて橈骨頭骨折を指摘され平成15年5月21日当科紹介. X線にて3mmの転位をともなう橈骨頭辺縁での骨折を認めた(図1). 全身麻酔下に観血的整復, 内固定を行った. 内固定材にはAcutrak bone screw(ACUMED)を使用した. 術後1週より可動域訓練を開始. 術後4ケ月で屈曲130°, 伸展0°, 回内80°, 回外90°と可動域は良好, 現在は問題なく復職されている(図2). 症例2:12歳, 女性 主訴:左肘痛 現病歴:平成15年6月2日, 体育の授業中に高飛び用のマットにひっかかり左手をついて受傷. 近医にて橈骨頚部骨折を指摘され平成15年6月3日, 当科紹介. X線にて外側傾斜31°の橈骨頚部骨折を認めた(図3). 全身麻酔下に観血的整復, 内固定を行った.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.53.826