胆石症に対する手術待機中の胆管炎・胆囊炎発症の検討 へき地医療拠点病院の現状
胆石症における急性胆管炎・胆囊炎(以下,急性胆道炎)に対し保存的治療後に胆囊摘出術を行う場合,待機期間中に急性胆道炎の再燃を認めることがある。2012年4月から2016年12月の4年9ヵ月間に,へき地医療拠点病院である当院で,急性胆道炎保存的治療後に待機期間を経て胆囊摘出術を施行した胆石症74例を対象とし,待機期間中に急性胆道炎を発症したA群(12例)と発症しなかったB群(62例)とに分け,術前背景因子,病歴,血液検査,画像検査,手術成績を比較検討した。初回に中等症以上の急性胆囊炎を認めた症例や,白血球数,CRP,クレアチニンが高値で,低アルブミン血症を伴う症例,胆囊壁肥厚と胆囊周囲膿瘍を伴う...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 38; no. 5; pp. 793 - 798 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.07.2018
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.38.793 |
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Summary: | 胆石症における急性胆管炎・胆囊炎(以下,急性胆道炎)に対し保存的治療後に胆囊摘出術を行う場合,待機期間中に急性胆道炎の再燃を認めることがある。2012年4月から2016年12月の4年9ヵ月間に,へき地医療拠点病院である当院で,急性胆道炎保存的治療後に待機期間を経て胆囊摘出術を施行した胆石症74例を対象とし,待機期間中に急性胆道炎を発症したA群(12例)と発症しなかったB群(62例)とに分け,術前背景因子,病歴,血液検査,画像検査,手術成績を比較検討した。初回に中等症以上の急性胆囊炎を認めた症例や,白血球数,CRP,クレアチニンが高値で,低アルブミン血症を伴う症例,胆囊壁肥厚と胆囊周囲膿瘍を伴う症例がA群に有意に多かった。手術成績は,開腹移行率,出血量,合併症率がA群に有意に多かった。胆道炎再燃後の手術の難度が高いと考えられた。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.38.793 |