感染と敗血症に伴うせん妄研究の中での脳波利用

意識障害は敗血症の一症状で,敗血症に伴う高次脳機能障害を敗血症性脳症(sepsis-associated encephalopathy:SAE)と呼ぶ.せん妄から昏睡を呈す.機序は多岐にわたり研究の方向性は広いが,臨床研究の中でも脳波解析は脳機能と関連する有力な手法かもしれない.脳波解析が,集中治療室入室患者で起きるせん妄の早期発見や予知に利用できないか.敗血症時に,持続脳波の基礎波異常や異常律動が着目されてきた.敗血症性脳症の診断基準が定まらない中で,脳波は診断補助ツールの一つである.COVID-19でも早期の脳波異常は予後に関連した.今後は脳波の機械学習がせん妄の重症度を鋭敏にはかるツール...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 43; no. 4; pp. 342 - 346
Main Authors 小畑, 友里江, 細川, 康二, 菊谷, 知也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.07.2023
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.43.342

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Summary:意識障害は敗血症の一症状で,敗血症に伴う高次脳機能障害を敗血症性脳症(sepsis-associated encephalopathy:SAE)と呼ぶ.せん妄から昏睡を呈す.機序は多岐にわたり研究の方向性は広いが,臨床研究の中でも脳波解析は脳機能と関連する有力な手法かもしれない.脳波解析が,集中治療室入室患者で起きるせん妄の早期発見や予知に利用できないか.敗血症時に,持続脳波の基礎波異常や異常律動が着目されてきた.敗血症性脳症の診断基準が定まらない中で,脳波は診断補助ツールの一つである.COVID-19でも早期の脳波異常は予後に関連した.今後は脳波の機械学習がせん妄の重症度を鋭敏にはかるツールとなるだろう.本稿では,敗血症に関わる脳波研究を整理した.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.43.342