臨床心理士に対して知能検査を訓練できる児童型ロボットの実現可能性

近年,通常学級における発達障害児の割合増加に伴い,心理検査を行う臨床心理士の需要も増加している.心理検査の訓練方法として,座学による訓練や,演習・実習による訓練がある. しかしながら,実習先や検査対象者の確保が困難であることから,臨床心理士が十分に心理検査の訓練を受けることができる環境が整っていない.そこで本研究では、臨床心理士から知能検査を受ける児童型ロボット(以下、提案ロボット)を開発する。提案ロボットには,知能検査を受けている児童と同様な発話内容が搭載されている.臨床心理士はロボットとの会話を通して知能検査を訓練する.本論文では,提案ロボットに対して臨床心理士が心理検査を実施することで,...

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Published in知能と情報 Vol. 36; no. 4; pp. 687 - 694
Main Authors 吉田, 翔子, 中島, 卓裕, 石川, 育恵, 三谷, 真優, ジメネス, フェリックス
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本知能情報ファジィ学会 15.11.2024
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ISSN1347-7986
1881-7203
DOI10.3156/jsoft.36.4_687

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Summary:近年,通常学級における発達障害児の割合増加に伴い,心理検査を行う臨床心理士の需要も増加している.心理検査の訓練方法として,座学による訓練や,演習・実習による訓練がある. しかしながら,実習先や検査対象者の確保が困難であることから,臨床心理士が十分に心理検査の訓練を受けることができる環境が整っていない.そこで本研究では、臨床心理士から知能検査を受ける児童型ロボット(以下、提案ロボット)を開発する。提案ロボットには,知能検査を受けている児童と同様な発話内容が搭載されている.臨床心理士はロボットとの会話を通して知能検査を訓練する.本論文では,提案ロボットに対して臨床心理士が心理検査を実施することで,訓練に有効かどうかをアンケートにて調査した.実験結果から,身体動作を実行せず,音声会話のみで検査を受ける提案ロボットとの訓練は,心理検査の訓練に有効である可能性を示した.
ISSN:1347-7986
1881-7203
DOI:10.3156/jsoft.36.4_687