左上葉上皮内癌に対しRFIDマーキング下に胸腔鏡下亜区域切除術を施行した1例
背景.近年,小型肺癌に対する縮小手術の機会が増えているが,術中の腫瘍の局在把握及び切除マージンの確保がしばしば問題となる.症例.43歳,男性.咳嗽を主訴に近医を受診,CTで左肺上葉S1+2に9 mm大のすりガラス結節を指摘され当院へ紹介された.肺癌を否定出来ず,診断及び治療目的に手術の方針となった.上皮内癌を疑い,積極的縮小手術の適応と考え,経気管支マーキング補助下に亜区域切除を施行した.病変を腹側,背側から挟むようにradiofrequency identification(RFID)タグを2か所留置し,胸腔鏡下に病変を完全切除した.結論.RFIDタグを用いた経気管支マーキングが切除範囲の決...
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Published in | 気管支学 Vol. 47; no. 4; pp. 407 - 412 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本呼吸器内視鏡学会
25.07.2025
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Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.47.4_407 |
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Summary: | 背景.近年,小型肺癌に対する縮小手術の機会が増えているが,術中の腫瘍の局在把握及び切除マージンの確保がしばしば問題となる.症例.43歳,男性.咳嗽を主訴に近医を受診,CTで左肺上葉S1+2に9 mm大のすりガラス結節を指摘され当院へ紹介された.肺癌を否定出来ず,診断及び治療目的に手術の方針となった.上皮内癌を疑い,積極的縮小手術の適応と考え,経気管支マーキング補助下に亜区域切除を施行した.病変を腹側,背側から挟むようにradiofrequency identification(RFID)タグを2か所留置し,胸腔鏡下に病変を完全切除した.結論.RFIDタグを用いた経気管支マーキングが切除範囲の決定に有用であったS1+2c亜区域切除術の1例を経験した.腫瘍の位置にRFIDタグを留置するのみでなく,切除のマージンとなる位置に留置することでより精密な肺切除が可能になると考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.47.4_407 |