多剤耐性結核に対するofloxacin,levofloxacinのin vitro抗菌活性と臨床効果

〔目的〕多剤耐性結核に対するOFLX,LVFXのin vitro抗菌活性と臨床効果を検討する。〔対象と方法〕多剤耐性結核患者46例においてOFLXあるいはLVFXの薬剤感受性試験を施行し45例の治療経過をretrospectiveに検討した。〔結果〕薬剤感受性試験では,OFLXあるいはLVFX耐性は持続排菌例(7/20:35%),およびキノロン系薬による前治療がある例(5/12:42%)に高い頻度で認められた。34例(76%)に排菌停止が得られたが,そのうち9例は後に再排菌が認められた。治療失敗あるいは再発の危険因子は,単変量解析ではOFLX・LVFX耐性,広範病変,感受性薬剤数4剤以下という...

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Published in結核 Vol. 81; no. 4; pp. 337 - 344
Main Authors 高橋, 清, 多田, 敦彦, 平野, 淳, 竹内, 誠, 岡田, 千春, 木村, 五郎, 高橋, 秀治, 柴山, 卓夫, 河田, 典子, 宗田, 良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本結核病学会 15.04.2006
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ISSN0022-9776
1884-2410
DOI10.11400/kekkaku1923.81.337

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Summary:〔目的〕多剤耐性結核に対するOFLX,LVFXのin vitro抗菌活性と臨床効果を検討する。〔対象と方法〕多剤耐性結核患者46例においてOFLXあるいはLVFXの薬剤感受性試験を施行し45例の治療経過をretrospectiveに検討した。〔結果〕薬剤感受性試験では,OFLXあるいはLVFX耐性は持続排菌例(7/20:35%),およびキノロン系薬による前治療がある例(5/12:42%)に高い頻度で認められた。34例(76%)に排菌停止が得られたが,そのうち9例は後に再排菌が認められた。治療失敗あるいは再発の危険因子は,単変量解析ではOFLX・LVFX耐性,広範病変,感受性薬剤数4剤以下という項目であった。多変量解析ではOFLX・LVFX耐性が危険因子であるという結果であった。18例(40%)が死亡し10例が結核死であった。治療失敗群では排菌停止群よりも有意に生存期間が短かった。〔考察と結論〕OFLX・LVFX耐性は多剤耐性結核における治療失敗と再発に関わる危険因子であると考えられた。
ISSN:0022-9776
1884-2410
DOI:10.11400/kekkaku1923.81.337