膵島β細胞の低形成が認められた糖尿病の黒毛和種子牛の1症例

49日齢の黒毛和種子牛が元気消失,意識混濁,時折振戦などの神経症状を呈した.尿検査では糖尿及びケトン尿が認められた.血液検査で高血糖を示し,インスリン濃度は著しく低下(0.05 ng/ml 未満)していた.病理組織学的検査では,核が類円形,淡明で少量の弱好酸性細胞質をもつ細胞が膵島を占めていた.アルデヒドフクシン染色で膵島に陽性顆粒は認められず,抗インスリン抗体を用いた免疫組織化学では一部の膵島で極少量のインスリン抗原が確認された.以上の結果から,本例は膵島β細胞の低形成による糖尿病と診断された....

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Published in日本獣医師会雑誌 Vol. 78; no. 6; pp. e78 - e82
Main Authors 岩永, 海空也, 西郷, 智貴, 三上, 修, 芝原, 友幸, 寺本, 直輝, 田川, 知嘉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 2025
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.78.e78

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Summary:49日齢の黒毛和種子牛が元気消失,意識混濁,時折振戦などの神経症状を呈した.尿検査では糖尿及びケトン尿が認められた.血液検査で高血糖を示し,インスリン濃度は著しく低下(0.05 ng/ml 未満)していた.病理組織学的検査では,核が類円形,淡明で少量の弱好酸性細胞質をもつ細胞が膵島を占めていた.アルデヒドフクシン染色で膵島に陽性顆粒は認められず,抗インスリン抗体を用いた免疫組織化学では一部の膵島で極少量のインスリン抗原が確認された.以上の結果から,本例は膵島β細胞の低形成による糖尿病と診断された.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.78.e78