血液製剤の安全性確保のためのウイルス核酸増幅検査(NAT)国内標準品の再評価

厚生労働省の血漿分画製剤の安全性確保対策の小委員会では,国内で使用されている輸血用血液製剤と血漿分画製剤の原料となる血漿に対するウイルス核酸増幅検査(NAT)の精度管理等に使用する国内標準品を1999年より作製し,国立感染症研究所が交付している.HCV,HBV及びHIVの第1次NAT国内標準品は,当時のWHO国際共同研究に準じエンドポイント法によって国際標準品に対する相対力価が定められた.2014年にNATガイドラインの改正と輸血用血液スクリーニングへの個別NAT導入に伴うNAT感度の改正が行われ,より厳格な精度管理に合わせ,NAT国内標準品の再評価の必要性が高まった.そこで,NAT国内標準品...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 64; no. 3; pp. 502 - 509
Main Authors 宮川, 恵子, 山口, 照英, 池辺, 詠美, 塚原, 美由紀, 浜口, 功, 福田, 修久, 富樫, 謙一, 中里見, 哲也, 長谷川, 隆, 水澤, 左衛子, 落合, 雅樹, 古田, 美玲, 松岡, 佐保子, 内田, 恵理子, 草川, 茂, 前田, 豊, 川村, 利江子, 百瀬, 暖佳, 岡田, 義昭, 五反田, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 30.06.2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.64.502

Cover

More Information
Summary:厚生労働省の血漿分画製剤の安全性確保対策の小委員会では,国内で使用されている輸血用血液製剤と血漿分画製剤の原料となる血漿に対するウイルス核酸増幅検査(NAT)の精度管理等に使用する国内標準品を1999年より作製し,国立感染症研究所が交付している.HCV,HBV及びHIVの第1次NAT国内標準品は,当時のWHO国際共同研究に準じエンドポイント法によって国際標準品に対する相対力価が定められた.2014年にNATガイドラインの改正と輸血用血液スクリーニングへの個別NAT導入に伴うNAT感度の改正が行われ,より厳格な精度管理に合わせ,NAT国内標準品の再評価の必要性が高まった.そこで,NAT国内標準品の力価を多施設共同研究にて再評価した.最新の高精度のリアルタイムPCR定量法で測定した結果,第1次HBV-DNA国内標準品1,060,000IU/ml,第1次HIV-RNA国内標準品75,000IU/ml,第1次HCV-RNA国内標準品260,000IU/mlに力価が改正された.信頼性の高い国際単位に校正された国内標準品を活用することで,NATの精度管理や試験法の改良の進展が期待される.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.64.502