高等学校における協働学習に基づいた映像メディア表現の教育的効果(Ⅲ)

本研究の目的は,協働による映像メディア表現に関する基礎研究の成果を踏まえ,高等学校の教育現場における授業実践の教育的効果を検証することである。研究対象は,多様な文化的背景をもつ高校生である。指導方針は,集団の中で,個人制作をベースとした協働学習を促進し,生徒個々の多様な特性を生かすことであった。生徒はスライドと短編動画の制作に取り組み,授業と並行して質問紙調査が行われた。量的分析の結果,他者からの触発による創造活動の促進,マスタリー目標志向性,規範遵守性が学習の前後で有意に変化したことが示され,授業には,生徒の学習に対する認知を学習に有利な方向に変化させる効果があったことが実証された。質的分析...

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Published in美術教育学:美術科教育学会誌 Vol. 42; pp. 119 - 134
Main Author 片桐, 彩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 美術科教育学会 2021
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ISSN0917-771X
2424-2497
DOI10.24455/aaej.42.0_119

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Summary:本研究の目的は,協働による映像メディア表現に関する基礎研究の成果を踏まえ,高等学校の教育現場における授業実践の教育的効果を検証することである。研究対象は,多様な文化的背景をもつ高校生である。指導方針は,集団の中で,個人制作をベースとした協働学習を促進し,生徒個々の多様な特性を生かすことであった。生徒はスライドと短編動画の制作に取り組み,授業と並行して質問紙調査が行われた。量的分析の結果,他者からの触発による創造活動の促進,マスタリー目標志向性,規範遵守性が学習の前後で有意に変化したことが示され,授業には,生徒の学習に対する認知を学習に有利な方向に変化させる効果があったことが実証された。質的分析の結果,映像メディア表現には生徒の自己意識を高める効果があることが示唆された。
ISSN:0917-771X
2424-2497
DOI:10.24455/aaej.42.0_119