下部胆道癌(下部胆管癌・十二指腸乳頭部癌)に対する腹腔鏡下手術

下部胆道癌に対する腹腔鏡(補助)下手術としては膵頭十二指腸切除術やバイパス手術,経十二指腸的乳頭切除術等が行われている.国内外の文献を参考にこれらの手術の現況をまとめた.近年次第に普及しつつある腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術については,多数の症例での比較的良好な成績が海外から報告されており,少なくとも低侵襲性の面では患者に利益をもたらす術式として今後普及する可能性がある.しかし,これらの報告では2群リンパ節郭清や胆管切除範囲など本邦でしばしば議論される根治性に関わる面でのfeasibilityの検討が十分ではない.一方,腹腔鏡下手術は開腹下手術と比較して難易度が高く手術時間も超過しやすいことから手...

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Published in胆道 Vol. 28; no. 1; pp. 66 - 72
Main Authors 小林, 信, 神澤, 輝実, 本田, 五郎, 倉田, 昌直, 奥田, 雄紀浩, 坂元, 克考
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2014
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.28.66

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Summary:下部胆道癌に対する腹腔鏡(補助)下手術としては膵頭十二指腸切除術やバイパス手術,経十二指腸的乳頭切除術等が行われている.国内外の文献を参考にこれらの手術の現況をまとめた.近年次第に普及しつつある腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術については,多数の症例での比較的良好な成績が海外から報告されており,少なくとも低侵襲性の面では患者に利益をもたらす術式として今後普及する可能性がある.しかし,これらの報告では2群リンパ節郭清や胆管切除範囲など本邦でしばしば議論される根治性に関わる面でのfeasibilityの検討が十分ではない.一方,腹腔鏡下手術は開腹下手術と比較して難易度が高く手術時間も超過しやすいことから手技面でのfeasibilityは単純化によって高くなるため,腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術が安全に普及するにはこれら2つのfeasibilityがバランス良く両立する範囲を明確にする必要がある.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.28.66