無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)を受検した夫と妻それぞれの思い —結果的にNIPT陰性であった夫婦10組の語りから

【目的】無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)の受検プロセスにおける夫婦それぞれの思いや考えを明らかにすることである。【方法】対象はNIPTを受検した夫婦10 組とした。インタビュー内容は、妊娠が分かった時、NIPTを受検し結果を待っている間、検査結果を聞いた時の3時点の妊娠や検査に対する思いや考えについてである。インタビュー内容をコード化し、類似性によって集め、カテゴリー化した。【結果】妻は妊娠に対して、喜びだけでなく流産や胎児の健康への不安も抱き、検査結果を待つ間 < たぶん大丈夫 > と言い聞かせていた。また、 < 胎児への愛着を封印する > 思いや < 命...

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Published in看護科学研究 Vol. 19; no. 1; pp. 3 - 12
Main Authors 森藤, 香奈子, 三浦, 生子, 松本, 正, 佐々木, 規子, 長谷川, ゆり, 三浦, 清徳, 宮原, 春美, 宮田, 海香子, 江藤, 宏美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 大分県立看護科学大学看護研究交流センター 2021
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ISSN2424-0052
DOI10.20705/jjnhs.19.1_3

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Summary:【目的】無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)の受検プロセスにおける夫婦それぞれの思いや考えを明らかにすることである。【方法】対象はNIPTを受検した夫婦10 組とした。インタビュー内容は、妊娠が分かった時、NIPTを受検し結果を待っている間、検査結果を聞いた時の3時点の妊娠や検査に対する思いや考えについてである。インタビュー内容をコード化し、類似性によって集め、カテゴリー化した。【結果】妻は妊娠に対して、喜びだけでなく流産や胎児の健康への不安も抱き、検査結果を待つ間 < たぶん大丈夫 > と言い聞かせていた。また、 < 胎児への愛着を封印する > 思いや < 命の選別に対する葛藤 > を抱えていた。検査結果を聞き、夫婦ともに安心していたが、妻は < 一つの不安が減っただけ > と語っていた。【結語】妻と夫には共通する思いとそうではない思いがあることが明らかとなった。夫婦間で多様な気持ちや考えを共有し、結論を出すことができるように支援することが重要である。ここに遺伝カウンセリングの役割がある。
ISSN:2424-0052
DOI:10.20705/jjnhs.19.1_3