ニホンナシ新品種「玉水」のジョイントV字トレリス樹形における定植後5年目までの樹体生育,果実生産性および省力・軽労効果
ジョイントV字トレリス樹形(以下、V字ジョイント)がニホンナシ新品種「玉水」の定植後5年目までの樹体生育,果実生産性および省力・軽労効果に及ぼす影響について検討した。V字ジョイント区では,慣行の二本主枝区と比べて1m2当たり新梢数が多く,同新梢長も大きく早期に側枝が確保された。また,V字ジョイント区の1m2当たり花芽数は二本主枝区よりも多く,10a当たり換算収量は,初結実の定植後3年目で1.0t,定植後3~5年目の累積収量は4.4tで,二本主枝区の6.2倍となった。ナシ栽培で最も多くの時間を要するせん定・誘引作業の収量1t/10a当たり作業時間は,V字ジョイント区で二本主枝区の29%であり,新...
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| Published in | 福岡県農林業総合試験場研究報告 Vol. 11; pp. 22 - 29 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
地方公共団体 福岡県農林業総合試験場
2025
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| Subjects | |
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| ISSN | 2189-4876 2759-257X |
| DOI | 10.60399/fafrc.11.0_22 |
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| Summary: | ジョイントV字トレリス樹形(以下、V字ジョイント)がニホンナシ新品種「玉水」の定植後5年目までの樹体生育,果実生産性および省力・軽労効果に及ぼす影響について検討した。V字ジョイント区では,慣行の二本主枝区と比べて1m2当たり新梢数が多く,同新梢長も大きく早期に側枝が確保された。また,V字ジョイント区の1m2当たり花芽数は二本主枝区よりも多く,10a当たり換算収量は,初結実の定植後3年目で1.0t,定植後3~5年目の累積収量は4.4tで,二本主枝区の6.2倍となった。ナシ栽培で最も多くの時間を要するせん定・誘引作業の収量1t/10a当たり作業時間は,V字ジョイント区で二本主枝区の29%であり,新梢管理作業は54%と短くなった。さらに,RULA法による作業姿勢の評価を行った結果,身体的負荷の大きいスコア5以上の割合はV字ジョイント区で低く,軽労化が図られた。以上の結果から,「玉水」における V 字ジョイントは慣行の二本主枝と比べ早期多収,省力・軽労効果が高い栽培方法であることが明らかとなった。 |
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| ISSN: | 2189-4876 2759-257X |
| DOI: | 10.60399/fafrc.11.0_22 |