頭頸部領域の悪性リンパ腫の治療 鼻性NK/T細胞リンパ腫の病態と臨床
鼻性NK/T細胞リンパ腫の診断には汎T細胞抗原 (CD34, CD45RO, CD2) とNK細胞抗原 (CD56) の表面形質を同定することが必須である。また, 組織中のEBウイルス遺伝子 (EBER) の同定や血清EBウイルス抗体価も補取診断として極めて有用である。最近, 筆者らはリアルタイムPCR法によって測定した結果, 血清EBウイルスDNA量は診断のみならず病勢, 患者予後を示す極めて有用な検査であることを明らかにした。治療として筆者らは, 新しい試みとして, 浅側頭動脈より抗癌剤を動注し同時に放射線療法 (計56G) を行う方法を施行している。浅側頭動脈動注・放射線同時併用療法のレ...
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Published in | 頭頸部癌 Vol. 30; no. 4; pp. 533 - 538 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本頭頸部癌学会
25.12.2004
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Subjects | |
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ISSN | 1349-5747 1881-8382 |
DOI | 10.5981/jjhnc.30.533 |
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Summary: | 鼻性NK/T細胞リンパ腫の診断には汎T細胞抗原 (CD34, CD45RO, CD2) とNK細胞抗原 (CD56) の表面形質を同定することが必須である。また, 組織中のEBウイルス遺伝子 (EBER) の同定や血清EBウイルス抗体価も補取診断として極めて有用である。最近, 筆者らはリアルタイムPCR法によって測定した結果, 血清EBウイルスDNA量は診断のみならず病勢, 患者予後を示す極めて有用な検査であることを明らかにした。治療として筆者らは, 新しい試みとして, 浅側頭動脈より抗癌剤を動注し同時に放射線療法 (計56G) を行う方法を施行している。浅側頭動脈動注・放射線同時併用療法のレジメンとしては, 新たにMPVIC-P療法を開発した。薬剤の投与スケジュールはVP-16 100mg/m2とifosfamide (IFM) 1500mg/m2を第1, 15日, carboplatin (CBDCA) 100mg/m2を第8, 22日, methotrexate 325mg/m2 with leucovorin rescueを第8日, peplomycin 10mg/m2第22日, predonisolone 75mg/bodyを週の最初の3日間である。これを1コースとして放射線同時併用で2コース, 単独で1コース, 計3コース施行している。現在まで4例施行したが, いずれも完全寛解となり経過は良好である。 |
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ISSN: | 1349-5747 1881-8382 |
DOI: | 10.5981/jjhnc.30.533 |