経皮的腎尿管結石摘出術の腎機能への影響について DMSA腎シンチグラフィーによる長期経過観察
1983年6月より1986年9月までに, 当科でPNLを施行した症例のうち, PNL後1年間の経過観察が可能であった48症例50腎に対して99mTc-DMSA腎シンチグラフィーを行い, DMSA腎摂取率の変化より, PNL後の分腎機能の長期経過について検討を行った. DMSA腎摂取率により, PNL後1年間の分腎機能の変化を観察すると, 50腎中38腎 (76%) が経過良好群, 18腎 (18%) が中間群, 3腎 (6%) が経過不良群であった. 経過不良群3腎は, すべて術後発熱を合併したサンゴ状腎結石であった. 術後発熱を合併したサンゴ状腎結石13腎のPNL後の平均DMSA腎摂取率は,...
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| Published in | 日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 79; no. 9; pp. 1479 - 1487 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
社団法人 日本泌尿器科学会
20.09.1988
The Japanese Urological Association 社団法人日本泌尿器科学会 |
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| ISSN | 0021-5287 1884-7110 |
| DOI | 10.5980/jpnjurol1928.79.9_1479 |
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| Summary: | 1983年6月より1986年9月までに, 当科でPNLを施行した症例のうち, PNL後1年間の経過観察が可能であった48症例50腎に対して99mTc-DMSA腎シンチグラフィーを行い, DMSA腎摂取率の変化より, PNL後の分腎機能の長期経過について検討を行った. DMSA腎摂取率により, PNL後1年間の分腎機能の変化を観察すると, 50腎中38腎 (76%) が経過良好群, 18腎 (18%) が中間群, 3腎 (6%) が経過不良群であった. 経過不良群3腎は, すべて術後発熱を合併したサンゴ状腎結石であった. 術後発熱を合併したサンゴ状腎結石13腎のPNL後の平均DMSA腎摂取率は, 術後発熱を合併しなかったサンゴ状腎結石12腎の平均DMSA腎摂取率に比較して, 有意に低下していた. また, 50腎中21腎で, PNL後の腎シンチグラム上, 腎瘻挿入部に一致した low density or cold area の残存を認めた. 感染を合併しやすいサンゴ状腎結石においても, PNLを更に腎機能への影響の少ない方法として確立していくためには, 十分な化学療法などにより, 感染を予防することが重要と考えられた. |
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| ISSN: | 0021-5287 1884-7110 |
| DOI: | 10.5980/jpnjurol1928.79.9_1479 |