体外循環症例登録公開試験におけるデータ集計の試み

日本体外循環技術医学会は、2013年5月から体外循環症例登録公開試験を実施し、同年12月末までのデータを2度回収し、2回目の回収データについて集計・分析した。 回収データ標本数は507症例であった。集計結果は、送血ポンプでは、ローラポンプが19.5%、遠心型が80.5%であった。脱血方法では、落差脱血が61.9%、吸引脱血が11.4%、ポンプアシストが5.1%、落差脱血と吸引脱血を併用したものが21.5%であった。プレバイパスフィルター装着率は32.5%であった。データ検証では、誤り発生率は、多肢選択式が0.8%、記述式が18.9%で、これにより集計から除外される症例数割合は15.0%となった...

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Published in体外循環技術 Vol. 42; no. 1; pp. 8 - 13
Main Authors 日比谷, 信, 吉田, 靖, 加納, 寛也, 古山, 義明, 亀井, 哲也, 齊藤, 千紘, 窪田, 將司, 見目, 恭一, 高道, 昭一, 高井, 浩司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2015
日本体外循環技術医学会
Subjects
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/jject.42.8

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Summary:日本体外循環技術医学会は、2013年5月から体外循環症例登録公開試験を実施し、同年12月末までのデータを2度回収し、2回目の回収データについて集計・分析した。 回収データ標本数は507症例であった。集計結果は、送血ポンプでは、ローラポンプが19.5%、遠心型が80.5%であった。脱血方法では、落差脱血が61.9%、吸引脱血が11.4%、ポンプアシストが5.1%、落差脱血と吸引脱血を併用したものが21.5%であった。プレバイパスフィルター装着率は32.5%であった。データ検証では、誤り発生率は、多肢選択式が0.8%、記述式が18.9%で、これにより集計から除外される症例数割合は15.0%となった。ただし、根拠に基づく体外循環国際協会(International Consortium for Evidence-Based Perfusion:ICEBP)が実施するPERFormと共通の項目に限定した場合は、4.5%であった。 回収データの誤入力や欠損は、施設間では項目が異なり、同一施設内では同じ項目に発生していた。しかし、入力データの確認を要請し、系統的な誤りは減少した。データの検証・評価が、より正確なデータの入力を可能にすることが示唆された。 また、各施設においてデータが定義に沿って入力され、多数の施設のデータが集計されることにより、実データを用いた評価基準に活用できることが示唆された。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/jject.42.8