イコサポリエン酸のミセル表面電位とミセル表面電荷密度に及ぼす分子内二重結合の影響

二重結合を2~5持つイコサポリエン酸 (IPA) の25℃におけるミセル表面電位 (Δψ) を蛍光プローブである8-アニリノ-1-ナフタレンスルホン酸アンモニウムを作用させ蛍光強度を測定することにより求めた。IPAミセルの表面電位|-Δψ|はIPAの二重結合が増えるにつれて減少した。IPA分子内に二重結合を1つ導入することによる|-Δψ|の減少はイオン強度0.02mol dm-3において13.12mVであった。その関係式はΔψ/mV=-108.0+13.12nと表された。ここでnはIPA分子内のC=C二重結合の数である。さらに, IPAミセルのGouy-Chapmanの理論に基づく表面電荷密度...

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Published in日本油化学会誌 Vol. 48; no. 12; pp. 1371 - 1376,1417
Main Authors 竹田, 忠紘, 阿部, 正彦, 横山, 祥子, 藤野, 美弘
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本油化学会 1999
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ISSN1341-8327
1884-1996
DOI10.5650/jos1996.48.1371

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Summary:二重結合を2~5持つイコサポリエン酸 (IPA) の25℃におけるミセル表面電位 (Δψ) を蛍光プローブである8-アニリノ-1-ナフタレンスルホン酸アンモニウムを作用させ蛍光強度を測定することにより求めた。IPAミセルの表面電位|-Δψ|はIPAの二重結合が増えるにつれて減少した。IPA分子内に二重結合を1つ導入することによる|-Δψ|の減少はイオン強度0.02mol dm-3において13.12mVであった。その関係式はΔψ/mV=-108.0+13.12nと表された。ここでnはIPA分子内のC=C二重結合の数である。さらに, IPAミセルのGouy-Chapmanの理論に基づく表面電荷密度の絶対値|-σ|はnが増えるにつれて小さくなった。その関係式は次式でよく表すことができた。σ/c cm-2=-3.386×10-6+2.463×10-6・ (√n-√2), ここでn≧2である。
ISSN:1341-8327
1884-1996
DOI:10.5650/jos1996.48.1371