泉浴と循環機能に関する研究 (第4報) 杉山式漸温部分浴装置と血圧, 心電心音図および指尖容積脈波に関する研究

泉浴, 特にわが国で慣用されている高温浴(43~45℃)では循環機能に著明な影響を及ぼすと予想されるため, 高血圧を始めとする病的循環器系を有する場合の泉浴には極めて慎重ならざるを得ない. しかし入浴又は泉浴はわが国の日常生活では不可欠のことであるのに鑑み, 当研究所では炭酸泉溶書中心として泉浴と循環機能特に血圧に関する詳細な研究を行い, 術環器疾患に最も適切且つ有効と思われる浴方法を検討し, 杉山式漸温部分浴芸置を考案した. 当研究所では本装置の循環系に及ぼす影響を系統的に研究しつつあるが, 著者は菅田, 片方の研究に引続いて血圧, 心電心音図, 指尖容積脈波等について循環系に最も強い影響を...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 33; no. 3-4; pp. 67 - 90
Main Author 矢部, 義昌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 1970
日本温泉気候物理医学会
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ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki1962.33.67

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Summary:泉浴, 特にわが国で慣用されている高温浴(43~45℃)では循環機能に著明な影響を及ぼすと予想されるため, 高血圧を始めとする病的循環器系を有する場合の泉浴には極めて慎重ならざるを得ない. しかし入浴又は泉浴はわが国の日常生活では不可欠のことであるのに鑑み, 当研究所では炭酸泉溶書中心として泉浴と循環機能特に血圧に関する詳細な研究を行い, 術環器疾患に最も適切且つ有効と思われる浴方法を検討し, 杉山式漸温部分浴芸置を考案した. 当研究所では本装置の循環系に及ぼす影響を系統的に研究しつつあるが, 著者は菅田, 片方の研究に引続いて血圧, 心電心音図, 指尖容積脈波等について循環系に最も強い影響を与えると思われる全身蒸気浴と対比しつつ検討を加え, 若干の知見を得たので, その成績を報告する. II 実験対象及び使用温泉 実験対象には当分院の外来及び入院患者, 湯治者, その他を選んだ. 使用温泉は「分院の湯」(第1表)及びその天然蒸気を使用した.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.33.67