消化器癌診断学最近の進歩 3. 腹腔鏡検査

腹腔鏡検査は多くの技術的改良によつて, 現在では肝胆路疾患をはじめとする腹腔内臓器及び腹膜病変の診断法として欠くことのできないものとなつている. しかし一方では, 血管造影法, CTスキヤン, 肝シンチ, 超音波診断などの急速な進歩によつて, 腹腔鏡検査についてもその適応と診断限界を再検討すべき時期がきていると思われる. 最近の進歩について 1901年, G.Kellingによつてはじめられた腹腔鏡ははじめはその所見を彩色のある絵として公表していたが, 1942年ころよりカラー写真による記録が一般的になつている. ここにおける主たる問題点の一つは色彩の再現性であるが, 拡角にして視野を広くする...

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Published in医療 Vol. 33; no. 3; pp. 330 - 331
Main Authors 吉野, 正曠, 吉田, 孝宣, 岡崎, 伸生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1979
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.33.330

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Summary:腹腔鏡検査は多くの技術的改良によつて, 現在では肝胆路疾患をはじめとする腹腔内臓器及び腹膜病変の診断法として欠くことのできないものとなつている. しかし一方では, 血管造影法, CTスキヤン, 肝シンチ, 超音波診断などの急速な進歩によつて, 腹腔鏡検査についてもその適応と診断限界を再検討すべき時期がきていると思われる. 最近の進歩について 1901年, G.Kellingによつてはじめられた腹腔鏡ははじめはその所見を彩色のある絵として公表していたが, 1942年ころよりカラー写真による記録が一般的になつている. ここにおける主たる問題点の一つは色彩の再現性であるが, 拡角にして視野を広くすることも望まれていた. 最近ではさらに微細な変化を正確に観察するために, 機器の改良が試みられている. 図1はWolf社43171型機ズーム機構付による硬変肝の腹腔鏡写真であるが, 拡角で全体像の把握に優れている. さらに図2のごとく, ズームアツプすることによつて再生結節の一つ一つやStromaの状態まで識別できる. このことは, 腹腔内臓器の腫瘍性病変, 特に肝腫瘍の診断においても威力を発揮する.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.33.330