代替・補完財の存在による旅行費用法の適用限界
旅行費用法で用いるべき需要関数は,評価対象施設の入場料金に関する需要関数である.ただし,入場料金に関する需要関数は市場で観察できないため,旅行費用に関する需要関数で代用する.しかし,需要関数において対象施設への旅行費用が入場料金と等価となるのは,対象施設に代替・補完財が存在しない場合に限られる.本研究では,代替・補完財が存在する場合に,入場料金に関する需要関数を得るために必要な市場データの取得可能性を検討する.検討の結果,一つの不完全代替財あるいは複数の完全代替財の存在の場合のみ取得可能であり,それ以外の場合に旅行費用法を適用するには市場では得られない追加的情報が必要であることを示す.なお,代...
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| Published in | 土木学会論文集D Vol. 62; no. 1; pp. 11 - 18 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 土木学会
2006
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1880-6058 |
| DOI | 10.2208/jscejd.62.11 |
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| Summary: | 旅行費用法で用いるべき需要関数は,評価対象施設の入場料金に関する需要関数である.ただし,入場料金に関する需要関数は市場で観察できないため,旅行費用に関する需要関数で代用する.しかし,需要関数において対象施設への旅行費用が入場料金と等価となるのは,対象施設に代替・補完財が存在しない場合に限られる.本研究では,代替・補完財が存在する場合に,入場料金に関する需要関数を得るために必要な市場データの取得可能性を検討する.検討の結果,一つの不完全代替財あるいは複数の完全代替財の存在の場合のみ取得可能であり,それ以外の場合に旅行費用法を適用するには市場では得られない追加的情報が必要であることを示す.なお,代替・補完財として代替施設と宅地の2ケースについて検討する. |
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| ISSN: | 1880-6058 |
| DOI: | 10.2208/jscejd.62.11 |