飼料イネの品種別飼料成分組成及び飼料イネ乾草のβ―カロテン含量の経時的変動

飼料イネは粗蛋白質含量が低く, 粗灰分含量が高いため, 消化性は他牧草に比較すると低いと推察され, 出穂期以降, 粗蛋白質及びDCPが急激に低下する。また, 出穂期から乳熟期にかけてADF, NDF, OCW, Obが一旦上昇し, 以後再び低下する傾向にある。以上の結果から, 乾草利用には粗蛋白質及びDCP含量の高い出穂期以前, サイレージ利用にはNFEとTDN含量の高くなる糊熟期以降が適していると考えられた。また, 乾草中のβ-カロテン含量は, 調製直後は稲ワラより若干高い傾向にあるが, 2ヵ月以上保管することで稲ワラ並に減少することが明らかとなった。 以上の結果から, 出穂前及び出穂期刈り...

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Published in日本草地学会九州支部会報 Vol. 37; no. 1; pp. 37 - 42
Main Authors 谷口, 昭二, 松田, 誠, 黒江, 秀雄, 石原, 康弘, 小村, 洋美, 町田, 豊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本暖地畜産学会 2007
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ISSN1884-6408
DOI10.11461/jwaras1970.37.37

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Summary:飼料イネは粗蛋白質含量が低く, 粗灰分含量が高いため, 消化性は他牧草に比較すると低いと推察され, 出穂期以降, 粗蛋白質及びDCPが急激に低下する。また, 出穂期から乳熟期にかけてADF, NDF, OCW, Obが一旦上昇し, 以後再び低下する傾向にある。以上の結果から, 乾草利用には粗蛋白質及びDCP含量の高い出穂期以前, サイレージ利用にはNFEとTDN含量の高くなる糊熟期以降が適していると考えられた。また, 乾草中のβ-カロテン含量は, 調製直後は稲ワラより若干高い傾向にあるが, 2ヵ月以上保管することで稲ワラ並に減少することが明らかとなった。 以上の結果から, 出穂前及び出穂期刈り乾草のTDNは, 暖地型牧草に比べて約10ポイント低いので, 他の飼料でTDNを補って給与する必要があり, 開花~乳熟期刈り乾草は, 稲ワラの代替飼料として利用可能であると考えられた。
ISSN:1884-6408
DOI:10.11461/jwaras1970.37.37