人工膝関節置換術患者の1年後のQOL 日本の日常生活環境との関連
本研究では,日本の人工膝関節全置換術(TKA)患者のQuality of Life (QOL)について,術後1年の変化と日常生活環境との関連を明らかにすることを目的とした.日本の2施設のTKA患者を対象とし,QOL尺度EQ−5D,膝関節疾患特異的尺度Oxford Knee Score,深い屈曲を伴う動作の困難感,日常生活環境を術前と術後1年に調査した.139人(男性24人,女性115人:平均年齢73.9歳(SD±7.1))よりデータが得られた.術前から術後1年のQOLは改善が認められていたが,深い屈曲を伴う動作の困難感は術後1年でも高く,「自宅や外出先で畳や床に座る時」,「和式トイレを使う時」...
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| Published in | 日本運動器看護学会誌 Vol. 13; p. 53 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本運動器看護学会
2018
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 2186-635X 2435-001X |
| DOI | 10.34324/jsmn.13.0_53 |
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| Summary: | 本研究では,日本の人工膝関節全置換術(TKA)患者のQuality of Life (QOL)について,術後1年の変化と日常生活環境との関連を明らかにすることを目的とした.日本の2施設のTKA患者を対象とし,QOL尺度EQ−5D,膝関節疾患特異的尺度Oxford Knee Score,深い屈曲を伴う動作の困難感,日常生活環境を術前と術後1年に調査した.139人(男性24人,女性115人:平均年齢73.9歳(SD±7.1))よりデータが得られた.術前から術後1年のQOLは改善が認められていたが,深い屈曲を伴う動作の困難感は術後1年でも高く,「自宅や外出先で畳や床に座る時」,「和式トイレを使う時」は得点が低かった.また,日常生活環境では,家のトイレが洋式,寝具がベッド,テーブルとイスを利用する人が増えていた.生活環境と得点の関連では,術後1年において,寝具にベッドを用いている人,テーブルとイスを使う人の方が「深い屈曲を伴う動作の困難感」が高く,困難であることにより生活環境を整えていたことが考えられた.術後の屈曲を伴う動作の困難性に対する看護介入の必要性が示唆された. |
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| ISSN: | 2186-635X 2435-001X |
| DOI: | 10.34324/jsmn.13.0_53 |