ルリコナゾールの白癬菌に対するin vitro抗真菌活性 MICおよびMFCの同時測定による既存外用抗真菌薬との比較試験

白癬の主要病原菌であるTrichophyton rubrum (14菌株) およびTrichophyton mentagrophytes (14菌株) に対するルリコナゾールの最小発育阻止濃度 (MIC) および最小殺真菌濃度 (MFC) を外用抗真菌薬 6 剤 (ラノコナゾール, ビホナゾール, エフィナコナゾール, 塩酸テルビナフィン, 塩酸ナフチフィンおよびリラナフタート) におけるそれぞれの濃度と比較した. T. rubrumおよびT. mentagrophytesに対するルリコナゾールのMIC90 はともに0.00098 μg/mlとなり,MFC90 においても,ともに0.0078...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inMedical Mycology Journal Vol. 57; no. 1; pp. J1 - J6
Main Authors 古賀, 裕康, 栂, 哲夫, 南條, 育子, 槇村, 浩一, 前田, 潤, 坪井, 良治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医真菌学会 2016
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2185-6486
2186-165X
DOI10.3314/mmj.57.J1

Cover

More Information
Summary:白癬の主要病原菌であるTrichophyton rubrum (14菌株) およびTrichophyton mentagrophytes (14菌株) に対するルリコナゾールの最小発育阻止濃度 (MIC) および最小殺真菌濃度 (MFC) を外用抗真菌薬 6 剤 (ラノコナゾール, ビホナゾール, エフィナコナゾール, 塩酸テルビナフィン, 塩酸ナフチフィンおよびリラナフタート) におけるそれぞれの濃度と比較した. T. rubrumおよびT. mentagrophytesに対するルリコナゾールのMIC90 はともに0.00098 μg/mlとなり,MFC90 においても,ともに0.0078 μg/mlとなり,試験薬剤のなかで最も強い抗真菌活性を示した.静真菌的に作用するとされるアゾール系薬剤であるビホナゾールの MFC/MIC ratioはT. rubrumで≧48.3, T. mentagrophytesでは≧19.6であり, エフィナコナゾールでも71.4および26.9であった. しかし, ルリコナゾール (13.4および6.1) およびラノコナゾール (11.1および5.0) は, 殺真菌的に作用するとされるテルビナフィン (8.0および12.6), ナフチフィン (9.1および8.6) およびリラナフタート (15.4および11.4) と同程度の MFC/MIC ratioであった. このことからルリコナゾールおよびラノコナゾールは両菌種に対して殺真菌的作用も有することが示唆された. 本研究において, ルリコナゾールは日本および米国で市販されている主要外用抗真菌薬のなかで白癬菌に対して最も強力な抗真菌活性を示し, 白癬の治療に際しての最も有効な薬剤の1つであると考えられた.
ISSN:2185-6486
2186-165X
DOI:10.3314/mmj.57.J1