2cm以下の進行大腸癌の臨床病理学的検討 Ki-67,P53免疫染色を用いた悪性度を中心に
2cm以下の進行癌(小型癌,n=26)の悪性度を検討する目的で2cm以上の進行癌(対照A群,n=530)と臨床病理学的に比較し,小型癌と対照A群のうち小型癌と臨床病理学的因子の一致する26例(対照B群)のKi-67標識率とP53蛋白発現の評価を行なった.A群と比較すると年齢,男女比に差はなく,小型癌で左側結腸に有意に多く直腸に少く,肉眼型では1型が,壁深達度でmpが有意に多かった.リンパ節転移は小型癌は2群に留まっていた.小型癌をpolypoid growth(PG,n=6)とnonpolypoid growth(NPG,n=20)に分けると脈管浸襲陽性例はNPGにおいて有意に多かった.同時性...
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| Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 56; no. 1; pp. 9 - 16 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | English Japanese |
| Published |
日本大腸肛門病学会
2003
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI | 10.3862/jcoloproctology.56.9 |
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| Summary: | 2cm以下の進行癌(小型癌,n=26)の悪性度を検討する目的で2cm以上の進行癌(対照A群,n=530)と臨床病理学的に比較し,小型癌と対照A群のうち小型癌と臨床病理学的因子の一致する26例(対照B群)のKi-67標識率とP53蛋白発現の評価を行なった.A群と比較すると年齢,男女比に差はなく,小型癌で左側結腸に有意に多く直腸に少く,肉眼型では1型が,壁深達度でmpが有意に多かった.リンパ節転移は小型癌は2群に留まっていた.小型癌をpolypoid growth(PG,n=6)とnonpolypoid growth(NPG,n=20)に分けると脈管浸襲陽性例はNPGにおいて有意に多かった.同時性肝転移は小型癌2例で,いずれもNPG症例であった.5生率で差はなかった.P53蛋白発現に差はなく,Ki-67標識率では小型癌の特にNPGで垂直方向の増殖能が高かった.以上より小型癌のNPG症例は垂直に浸潤する癌で,生物学的悪性度が高いことが推察された. |
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| ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI: | 10.3862/jcoloproctology.56.9 |