高速液体クロマトグラフィーによる乳・乳製品及び食用油脂中のアルデヒド類の定量

乳・乳製品及び食用油脂中に含まれるアルデヒド類19成分を2,4-ジニトロフェニルヒドラジンにより誘導体化した後,HPLCを用いて高感度で精度よく測定する方法について検討した.食品からの抽出法として,エタノールを用いることによりタンパク質や油脂の除去を容易とし,迅速簡便化した.本法の検量線は0.1~5.0μg/mlで直線性を示し,検出限界は0.04~0.2μg/g,回収率71~101%,相対標準偏差は0.2~4.9%と良好であった.なお,従来法の一つであるGC法(水蒸気蒸留法)と比較した結果,回収率及び相対標準偏差とも本法が優れていた.従来から,油脂(食品)の劣化の指標としてカルボニル価や過酸化...

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Published in分析化学 Vol. 46; no. 1; pp. 31 - 36
Main Authors 松浦, 法夫, 松浦, 弘明, 皆川, 憲夫, 廣田, 哲二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 01.01.1997
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.46.31

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Summary:乳・乳製品及び食用油脂中に含まれるアルデヒド類19成分を2,4-ジニトロフェニルヒドラジンにより誘導体化した後,HPLCを用いて高感度で精度よく測定する方法について検討した.食品からの抽出法として,エタノールを用いることによりタンパク質や油脂の除去を容易とし,迅速簡便化した.本法の検量線は0.1~5.0μg/mlで直線性を示し,検出限界は0.04~0.2μg/g,回収率71~101%,相対標準偏差は0.2~4.9%と良好であった.なお,従来法の一つであるGC法(水蒸気蒸留法)と比較した結果,回収率及び相対標準偏差とも本法が優れていた.従来から,油脂(食品)の劣化の指標としてカルボニル価や過酸化物価の測定が実施されているが,これらの方法はいずれも食品から油脂の抽出操作が必要となり,煩雑で時間を要する.本法は油脂の抽出操作を必要とせず,直接アルデヒド類を個別に測定できる方法であり,食品の変質(酸化)の程度を判定する上で有用と考える.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.46.31