乳児の黒色性神経外胚葉性腫瘍の1例

乳児の黒色性神経外胚葉性腫瘍(以下MNTI)はneural crest由来の細胞を起源とする腫瘍であると考えられ, 一般的に良性腫瘍として分類されている1-4. MNTIの臨床的特徴としては以下の4項目が挙げられる. 1)その多くは1才未満の乳児の顎前骨に発生する. 2)性差はない5. 3)その病変は着色性あるいは非着色性の外向性腫瘤として発現することもあれば, 骨内に含まれていることもある. 4)その病変に関連した歯牙はしばしば転位する6-8. この症例報告の目的はそのCT所見より示唆される, 多発性と再発率との関連およびその発生様式について論ずることである. 症例 患者:生後3ヶ月男性乳児...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in歯科放射線 Vol. 40; no. 4; pp. 260 - 264
Main Authors 伊藤, 寿介, 小山, 純市, 小林, 富貴子, 林, 孝文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 30.12.2000
日本歯科放射線学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0389-9705
2185-6311
DOI10.11242/dentalradiology1960.40.260

Cover

More Information
Summary:乳児の黒色性神経外胚葉性腫瘍(以下MNTI)はneural crest由来の細胞を起源とする腫瘍であると考えられ, 一般的に良性腫瘍として分類されている1-4. MNTIの臨床的特徴としては以下の4項目が挙げられる. 1)その多くは1才未満の乳児の顎前骨に発生する. 2)性差はない5. 3)その病変は着色性あるいは非着色性の外向性腫瘤として発現することもあれば, 骨内に含まれていることもある. 4)その病変に関連した歯牙はしばしば転位する6-8. この症例報告の目的はそのCT所見より示唆される, 多発性と再発率との関連およびその発生様式について論ずることである. 症例 患者:生後3ヶ月男性乳児 現病歴:母親によると生下時には異常はなかったが, 生後40日に右側下顎乳側切歯付近に生じた白色水泡様の腫瘤に気付き近医歯科を受診した. X線写真にて湾曲歯牙と診断されたが, その1週間後に同部腫瘤の増大を認め同医より切開処置を受けた.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology1960.40.260