大腿骨頚部骨折患者の体力
大腿骨頚部骨折患者では受傷後の安静臥床に伴う廃用症候群の予防が大変重要である. そこで, 本研究は大腿骨頚部骨折患者の術後早期の体力を明らかにすることを目的とした. 56名の大腿骨頚部骨折患者に対して, 術後1週間以内に運動負荷試験を施行した. 運動負荷試験には上肢エルゴメーター(自転車エルゴメーターを応用したもの)を使用し, 最高酸素摂取量を求め, 被検者を年齢別, 身体機能別に分類し各群を比較検討した. 結果, (1)年齢別に身体機能ごとの最高酸素摂取量(peak VO2/kg)を見た場合, 70歳代群-80歳代群でランクJのpeak VO2/kgがランクAと比較して有意に高値を示していた...
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Published in | 理学療法学 Vol. 29; no. 7; pp. 239 - 244 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士協会
20.12.2002
日本理学療法士学会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.kj00001019644 |
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Summary: | 大腿骨頚部骨折患者では受傷後の安静臥床に伴う廃用症候群の予防が大変重要である. そこで, 本研究は大腿骨頚部骨折患者の術後早期の体力を明らかにすることを目的とした. 56名の大腿骨頚部骨折患者に対して, 術後1週間以内に運動負荷試験を施行した. 運動負荷試験には上肢エルゴメーター(自転車エルゴメーターを応用したもの)を使用し, 最高酸素摂取量を求め, 被検者を年齢別, 身体機能別に分類し各群を比較検討した. 結果, (1)年齢別に身体機能ごとの最高酸素摂取量(peak VO2/kg)を見た場合, 70歳代群-80歳代群でランクJのpeak VO2/kgがランクAと比較して有意に高値を示していた. (2)身体機能別に年齢ごとのpeak VO2/kgを見た場合, 60歳代群のランクJのpeak VO2/kg値が70歳代群, 80歳代群のランクJに比較して有意に高値を示していた. 以上より術後の大腿骨頚部骨折患者では, 年齢が70歳以上, 又は身体機能がランクAの者で体力低下が著しいと考えられた. |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.kj00001019644 |