椅坐位における側方傾斜刺激に対する頸部・体幹・四肢の筋活動

中枢神経疾患に見られる姿勢運動パターンを正しく理解し,より効果的な治療を行たう指標にするため,健常人9名,平均年齢23.6歳を対象に椅坐位にて側方傾斜刺激を加え頸部・体幹・四肢の筋活動を表面筋電図によって分析した. 測定は椅坐位にて坐面の右側を下降させて行ない,その刺激は角速度2.2℃/sec,角度を0~3℃の範囲とした. 結果は以下の通りである. 1.傾斜上位側の頸部・体幹筋群に筋放電の増加を認めたが,両側の上下肢筋群では特に筋放電を認めなかった. 2.傾斜下位側の体幹筋群は被験者に安静を保たせている時より自発的た持続放電を認めた. これらより,姿勢を保持する上で頸部筋・体幹筋の活動が重要で...

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Published in理学療法学 Vol. 17; no. 1; pp. 27 - 30
Main Authors 藤田信子, 桝田康彦, 山野薫, 三木晃, 糠野猛人, 鎌谷秀和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 10.01.1990
日本理学療法士学会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00001306059

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Summary:中枢神経疾患に見られる姿勢運動パターンを正しく理解し,より効果的な治療を行たう指標にするため,健常人9名,平均年齢23.6歳を対象に椅坐位にて側方傾斜刺激を加え頸部・体幹・四肢の筋活動を表面筋電図によって分析した. 測定は椅坐位にて坐面の右側を下降させて行ない,その刺激は角速度2.2℃/sec,角度を0~3℃の範囲とした. 結果は以下の通りである. 1.傾斜上位側の頸部・体幹筋群に筋放電の増加を認めたが,両側の上下肢筋群では特に筋放電を認めなかった. 2.傾斜下位側の体幹筋群は被験者に安静を保たせている時より自発的た持続放電を認めた. これらより,姿勢を保持する上で頸部筋・体幹筋の活動が重要であることが示唆された.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00001306059