臨床現場における薬剤師の役割 (11) 外来がん薬物治療患者に対する連携充実加算への取り組み

「はじめに」近年, がん化学療法は支持療法の発展などにより外来で行われることが主流となっており, 注射薬と経口抗がん薬の併用レジメンも多く用いられるようになっている. 一部の経口抗がん薬や副作用マネジメントのための支持療法薬は院外処方箋で発行されることが多く, 治療効果の向上や安全性の確保のために, 医療機関と保険薬局との連携がより一層重要となっている. 保険薬局をとり巻く現状として, 2015年に厚生労働省より「患者のための薬局ビジョン」が策定され, かかりつけ薬剤師・薬局の推進により薬剤師が地域包括ケアシステムの一翼を担うことの重要性が提唱された. 2020年に発令された「改正薬機法」では...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 18; no. 3; pp. 282 - 288
Main Authors 田中弘人, 輪湖哲也, 伊勢雄也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 01.08.2022
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ISSN1349-8975

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Summary:「はじめに」近年, がん化学療法は支持療法の発展などにより外来で行われることが主流となっており, 注射薬と経口抗がん薬の併用レジメンも多く用いられるようになっている. 一部の経口抗がん薬や副作用マネジメントのための支持療法薬は院外処方箋で発行されることが多く, 治療効果の向上や安全性の確保のために, 医療機関と保険薬局との連携がより一層重要となっている. 保険薬局をとり巻く現状として, 2015年に厚生労働省より「患者のための薬局ビジョン」が策定され, かかりつけ薬剤師・薬局の推進により薬剤師が地域包括ケアシステムの一翼を担うことの重要性が提唱された. 2020年に発令された「改正薬機法」では, 薬剤師による患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行う業務が法制化され, 医療機関と保険薬局との情報共有等, 連携体制の整備がより一層重要視されるようになった.
ISSN:1349-8975