国内・海外で働く日本語教師に求められているものは何か 求人情報に示された属性と条件をめぐって

本稿は日本語教師の求人情報を取り上げ,日本国内・海外の民間日本語学校において教師に求められる属性や条件について応募条件欄を分析した結果を報告するものである。調査の結果,対象とした求人情報1,485件のうち,13.8%の応募条件に「日本国籍保持者」「母語話者」「日本人」が見られることがわかった。また,使用語について計量テキスト分析を行った結果,民間日本語学校で専任講師として働く上では,海外よりも日本国内の教育機関で,条件として「四年制大学卒資格」「専任経験」「クラス担当経験」が多く求められていることが示された。このことから日本語教師の資質論においても,国籍や母語,「日本人」といった属性を切り離し...

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Published in言語文化教育研究 Vol. 21; pp. 171 - 184
Main Authors 秋田, 美帆, 徳田, 淳子, 牛窪, 隆太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 言語文化教育研究学会:ALCE 23.12.2023
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ISSN2188-9600
DOI10.14960/gbkkg.21.171

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Summary:本稿は日本語教師の求人情報を取り上げ,日本国内・海外の民間日本語学校において教師に求められる属性や条件について応募条件欄を分析した結果を報告するものである。調査の結果,対象とした求人情報1,485件のうち,13.8%の応募条件に「日本国籍保持者」「母語話者」「日本人」が見られることがわかった。また,使用語について計量テキスト分析を行った結果,民間日本語学校で専任講師として働く上では,海外よりも日本国内の教育機関で,条件として「四年制大学卒資格」「専任経験」「クラス担当経験」が多く求められていることが示された。このことから日本語教師の資質論においても,国籍や母語,「日本人」といった属性を切り離して検討する必要があること,また,若手が新規参入するためには,資質論においてもキャリアパス上の変遷を考慮に入れる必要があることを指摘した。
ISSN:2188-9600
DOI:10.14960/gbkkg.21.171