乳児期・脊髄髄膜瘤症例に対する運動療法 一症例の早期介入について

脊髄髄膜瘤の臨床像は様々である。特に,下部体幹から下肢の姿勢・運動障害は,既に胎児期から発生し,生後重力下における環境変化によってさらに顕著になっていく。障害像は,脊髄および脊髄神経の損傷や水頭症などの脳の発達障害により経時的に変化していく。また,正常新生児の運動は,活発で多彩な動きをする。しかし患児らにおいては,障害,および胎児期からの経過により出生直後から活動性が乏しくその活動も環境要因の影響により姿勢・運動パターンが限定されていく。限定された姿勢・運動の中で代償活動が生じ,そこでの肢位や姿勢^動をとり続けることで変形や拘縮が発生し,運動が制限されてしまう。このことが,上肢活動や,頭部との...

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Published in理学療法症例報告データライブラリ Vol. 1; no. 1; pp. 66 - 70
Main Authors 保苅, 吉秀, 新保, 松雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2003
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ISSN1347-8745
DOI10.11542/icpt.1.66

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Summary:脊髄髄膜瘤の臨床像は様々である。特に,下部体幹から下肢の姿勢・運動障害は,既に胎児期から発生し,生後重力下における環境変化によってさらに顕著になっていく。障害像は,脊髄および脊髄神経の損傷や水頭症などの脳の発達障害により経時的に変化していく。また,正常新生児の運動は,活発で多彩な動きをする。しかし患児らにおいては,障害,および胎児期からの経過により出生直後から活動性が乏しくその活動も環境要因の影響により姿勢・運動パターンが限定されていく。限定された姿勢・運動の中で代償活動が生じ,そこでの肢位や姿勢^動をとり続けることで変形や拘縮が発生し,運動が制限されてしまう。このことが,上肢活動や,頭部との非協調性となって認知発達の遅延要因になっていく。今回,下部体幹,下肢の運動発達と頭部や上肢などとの全身の姿勢・運動の関連性を考慮し,一症例に対して運動療法を行なった結果を報告する。
ISSN:1347-8745
DOI:10.11542/icpt.1.66