多発性結節性肺病変と共に著明な全身リンパ節腫脹を来たした結核症の1症例
症例は31歳韓国人女性. 両側頸部と腋窩のリンパ節腫脹を自覚し, 近医を受診す. 胸部X線写真に異常影あり. 肺, リンパ節結核の疑いで抗結核薬を投与をされた. 3ヵ月後リンパ節腫脹が消褪したので自己判断で服薬を中止す. その3ヵ月後より再度同部のリンパ節腫脹を自覚し, 約3ヵ月放置の後当院を受診した. 表在リンパ節の腫脹とともに胸部X線写真にも異常影が認められ入院. 経気管支鏡下肺生検を施行し, 病理組織より肺病変は肺結核症と診断された. 諸種の画像検査で, 大動脈周囲深部リンパ節にまで及ぶ全身リンパ節腫脹が認められたので, 診断目的で頸部リンパ節生検を行った. 生検組織は, 乾酪壊死を伴う...
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| Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 33; no. 11; pp. 1270 - 1275 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | English Japanese |
| Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.11.1995
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0301-1542 1883-471X |
| DOI | 10.11389/jjrs1963.33.1270 |
Cover
| Summary: | 症例は31歳韓国人女性. 両側頸部と腋窩のリンパ節腫脹を自覚し, 近医を受診す. 胸部X線写真に異常影あり. 肺, リンパ節結核の疑いで抗結核薬を投与をされた. 3ヵ月後リンパ節腫脹が消褪したので自己判断で服薬を中止す. その3ヵ月後より再度同部のリンパ節腫脹を自覚し, 約3ヵ月放置の後当院を受診した. 表在リンパ節の腫脹とともに胸部X線写真にも異常影が認められ入院. 経気管支鏡下肺生検を施行し, 病理組織より肺病変は肺結核症と診断された. 諸種の画像検査で, 大動脈周囲深部リンパ節にまで及ぶ全身リンパ節腫脹が認められたので, 診断目的で頸部リンパ節生検を行った. 生検組織は, 乾酪壊死を伴う肉芽腫の形成がみられる結核の組織像であり, 本症例は最終的に肺結核症と合併した全身リンパ節結核と診断した. 免疫不全のない成人で広範囲に及ぶリンパ節結核は極めて稀であり, 貴重な症例と考え報告した. |
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| ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
| DOI: | 10.11389/jjrs1963.33.1270 |