20年の経過後に肺出血で致命的となったSLEの1剖検例

症例は17歳時発症のSLEの36歳女性である. 33歳以降は高血圧・蛋白尿・血小板減少の他は症状は比較的安定していた. 1985年10月突然喀血・咳嗽・呼吸困難をきたし入院した. 胸部X線上両肺野に浸潤影・高度の呼吸不全を認め, SLEに伴なった肺出血と診断した. パルス療法で一時改善傾向を認めたが, 再度の肺出血のため死亡した. 剖検ではびまん性肺胞内出血を認め, 螢光抗体法による検討では, 腎糸球体毛細管壁にIgGを主体とした顆粒状沈着が認められたが, 肺への免疫グロブリンの沈着はみられなかった....

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 25; no. 11; pp. 1236 - 1241
Main Authors 吉峰, 二夫, 稲冨, 恵子, 檀原, 高, 森川, 泰江, 金光, 俊尚, 吉良, 枝郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.11.1987
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.25.1236

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Summary:症例は17歳時発症のSLEの36歳女性である. 33歳以降は高血圧・蛋白尿・血小板減少の他は症状は比較的安定していた. 1985年10月突然喀血・咳嗽・呼吸困難をきたし入院した. 胸部X線上両肺野に浸潤影・高度の呼吸不全を認め, SLEに伴なった肺出血と診断した. パルス療法で一時改善傾向を認めたが, 再度の肺出血のため死亡した. 剖検ではびまん性肺胞内出血を認め, 螢光抗体法による検討では, 腎糸球体毛細管壁にIgGを主体とした顆粒状沈着が認められたが, 肺への免疫グロブリンの沈着はみられなかった.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.25.1236