研修医の長時間労働問題への対策 アメリカにおける「ナイト・フロート」制度
1)米国では,かつて,ある医療事故事件をきっかけとして,研修医の長時間労働が社会的問題となった.その際,対策として,「ナイト・フロート(night float)」という制度の導入が検討された. 2)同制度は,担当となった研修医が,日中は勤務をせず,夜間にのみ業務に従事するというものである.通常,一年あたりの担当回数は数回であり,一回の担当期間は一・二週間である. 3)同制度が導入されている医療機関では,ナイト・フロートを担当する研修医以外の研修医は,夜間,患者を担当する必要はない.このことなどから,同制度は,研修医の満足度も高めているといわれている.特に近年,この制度は,全米に普及した. 4)...
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| Published in | 医学教育 Vol. 42; no. 2; pp. 81 - 87 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本医学教育学会
25.04.2011
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| Subjects | |
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| ISSN | 0386-9644 2185-0453 |
| DOI | 10.11307/mededjapan.42.81 |
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| Summary: | 1)米国では,かつて,ある医療事故事件をきっかけとして,研修医の長時間労働が社会的問題となった.その際,対策として,「ナイト・フロート(night float)」という制度の導入が検討された. 2)同制度は,担当となった研修医が,日中は勤務をせず,夜間にのみ業務に従事するというものである.通常,一年あたりの担当回数は数回であり,一回の担当期間は一・二週間である. 3)同制度が導入されている医療機関では,ナイト・フロートを担当する研修医以外の研修医は,夜間,患者を担当する必要はない.このことなどから,同制度は,研修医の満足度も高めているといわれている.特に近年,この制度は,全米に普及した. 4)ナイト・フロート制度は,長時間労働の解消という点だけでなく,研修医の技術力の向上,医療安全の確保など,他の点においても利点がある.ただし,欠点があることも報告されている. |
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| ISSN: | 0386-9644 2185-0453 |
| DOI: | 10.11307/mededjapan.42.81 |